最終更新日: 2024年11月19日 LPOとSEOは何が違う?効果的な対策とポイント

「LPO(ランディングページ最適化)」や「SEO(検索エンジン最適化)」は、どちらもWEB運営においては重要なものですが、「自社に向いているのはどちらなのかか」、「自社で取り入れるにあたりLPOとSEOのどちらを優先させるべきか」などについてお悩みの方も多いことでしょう。

LPOやSEOの導入・活用をお考えであれば、まずはそれぞれの基礎知識を学んでおく必要があります。これらの概念を理解し、違いやそれぞれのメリットを知っておくことで、自社の目的に応じた適切な運用が可能となります。

今回は、LPOとSEOに関する基本的な知識を解説するとともに、それぞれの違いとメリットについて紹介します。LPOとSEOの違い、導入方法などを理解し、社内でのLPOツール導入の提案、検討する際にお役立てください。

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LPOとSEOの違いとは。どちらの対策をすべき?

LPOとは?訪問者を正しく導きCVをあげること

LPOとは、「Landing Page Optimization」の略であり、日本では、「ランディングページ最適化」と訳されています。クリックして最初にたどり着くLP(ランディングページ)をユーザーのニーズに合わせて最適化し、ページのCVR(コンバージョンレート=成約率)を上げるマーケティング手法のことを指します。

その目的は、LPを見たユーザーの途中離脱を防ぎ、CV(コンバージョン)まで導くことにあります。そしてCVRを向上させることで、広告の費用対効果を高めます。

また、LPOに似た言葉にCROというものがあります。CROとは、CVRを増加させ、最適な目標数を得たりするための手法を意味します。「Conversion Rate Optimization」の略語であり、日本では「コンバージョン率最適化」と訳されています。

CROがサイトの構造全体を通して最適化を行う一方、LPOはランディングページに対して最適化を行うという点が大きな違いといえます。

より詳しいLPOの解説はこちら

SEO(検索エンジン最適化)とは?ユーザーが使いやすいサイトを作ること

一方、SEOとは「Search Engine Optimization」の略であり、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されています。WEBサイトの内容について、検索エンジン上に適切な結果を反映させていくWEBマーケティングの手法です。

しかし、誤解されがちですが必ずしも、「SEO=単に検索順位を上げること」ではありません。

確かにSEOでは検索エンジンに対し、特定のWEBサイトの価値について正しい認識を求めた上で、上位表示を目指します。
しかし、検索エンジンが価値のあると判断するWEBサイトを制作するには、構成や文章などに工夫を取り入れる必要があります。そして、それはユーザーにとって見やすさ、分かりやすさを提供することになります。有益な情報、オリジナルの情報を継続して提供することも重要です。

検索エンジンにとって分かりやすいサイトは、ユーザーにとっても分かりやすいサイトといえます。ユーザーにとって優れたサイトを作ることがSEOにとって重要であり、その結果として、検索エンジンにて上位表示されることで、流入増加、コンバージョン率増加につながるというわけです。

LPOとSEOはそれぞれメリットあり。相乗効果を狙おう!

1. LPOとSEOのメリットについて

LPO、SEOは、ともに重要なWEBマーケティング施策ですが、それぞれ目的とメリットが異なります。

 
LPO
SEO
目的
  • WEBサイトのユーザーの途中離脱を防ぎ、CVに導く
  • WEBサイトの存在をPR
  • WEBサイトへの流入数増加
メリット
  • A/Bテストなど適切な方法を用いることで、結果が出やすい
  • 検索エンジンの上位表示達成によりアクセス数が増加
  • 企業ブランドの確立

結果が出やすいのはLPOであり、SEOは結果が出るまでに時間を必要とします。 また、SEO対策はユーザー数が少なくても行えますが、LPOにはユーザーのサンプルがある程度必要なので、アクセス数が少ない状態では検証が難しいといった特徴があります。

2. LPOとSEOの関係について

目的とメリットが異なるLPOとSEOですが、SEOで多くのユーザーを招き、LPOでしっかりとユーザーの気持ちを掴むというように、それぞれ関連し合っているといえます。

SEO対策により多くの人がサイトに訪れることでLPのアクセス数が増えますが、そのLPが最適でなければユーザーの早期離脱を招きます。ですからLPOが大切です。
一方、LPOにより最適化されたLPを作っても、サイトを訪れるユーザーが少なければ顧客や見込み客をつかみ、CVを得ることもできませんので、SEOが大切です。

3. LPOとSEO、どちらをすればよいか迷ったら

つまり、同時に両方を始めることができればベストです。しかし費用対効果を考えた上で「どちらの施策から始めるかを選ばなければいけない」とお悩みの方もいらっしゃることでしょう。

すでにある程度の訪問者数が獲得できているが、CVRが低いという場合は、LPO対策が効果的です。一方、WEBサイトの訪問者数が少ない場合は、SEO対策を優先させます。

【コラム】SEMってなに?

ところでWEBの運営やマーケティングを行う際、「SEM」という言葉もよく目にするかと思います。SEOとの違いは何でしょうか。

SEMとは「Search Engine Marketing」の略語で、検索エンジンを利用して行うマーケティングの総称です。SEOとSEMは別のものだと捉えられがちですが、実際には図のように、SEMには、SEOも、リスティング広告も含まれます。

SEM
SEO(検索エンジン最適化)
リスティング広告(検索連動型広告)

ちなみに、リスティング広告とは「Google」や「Yahoo! JAPAN」の検索エンジンを利用し、キーワードを検索した際に、関連して表示される広告をいいます。検索されたキーワードに連動して表示されることから「検索連動型広告」と呼ばれています。

リスティング広告の目的は、広告経由後にたどり着くLPでのコンバージョンです。つまり、リスティング広告に力を入れるのであれば、必然的にLPOが重要になります。

LPO対策の進め方とポイント

ここまでで、LPOとSEOの違いや重要性についてみてきました。ここからは自社サイトとLPOの相性を見極めながら、LPO対策を進める方法を紹介します。

LPOの効果が出やすいWEBサイトか見極める

LPOにおいてまずやるべきことは、自社サイトとLPO効果との相性の見極めです。向いていないにも関わらずLPOに注力することは、非効率です。

LPOに向いているWEBサイトの特徴

  • 商品・サービスの提供を行うサイト
  • 資料請求・問い合わせなどのサイト
  • コンテンツが豊富で、ユーザーが求めているニーズに合わせたページを提供しやすいサイト
  • 特定の地域に特化しているなど、個々のユーザーに対応可能なサイト

商品やサービスを提供したり、資料請求の受付をしたりしたい場合にはLPOはうってつけです。「初回お試し」「無料お試し」などの問い合わせを増やしたいときにも同様です。

また、LPでは各コンテンツの中からユーザーに最適なものを提示ができるため、豊富なコンテンツを持つサイトに適しています。

LPOに向いていないWEBサイトの特徴

  • 企業名やニッチなワード(特定のキーワード)のみで検索されている
  • コンテンツ量が少ない

上記にあてはまるサイトは、ユーザーの多様なニーズに応えるというよりも、特定のユーザーがターゲットになっているため、LPの最適化よりもSEO対策に沿ってコンテンツを作り、検索エンジンから多くのユーザーを取り込むほうが良いと考えられます。

離脱率を下げ、CVをあげるサイトづくりのポイントとは

実際にLPOを行うためには現状のサイトの調査・分析、仮説、実施、検証を繰り返すことが大切です。

調査・分析をする

調査については
  • アクセス解析(Googleアナリティクス)
  • ヒートマップ分析
  • ユーザーテスト
などをすることで、今あるページの現状を把握し、問題点を洗い出します。
まずは、Google Analyticsにて、現在のサイトを分析するといいでしょう。ページごとに、下記をチェックし、問題点を洗い出します。
  • クリック率
  • コンバージョン率
  • 直帰率
  • 滞在時間
  • 離脱率
などをすることで、今あるページの現状を把握し、問題点を洗い出します。

Google Analyticsを用いて現状のサイトを確認することで、おのずと問題点が見えてくるはずです。例えば、「クリック数は多いが、CVが少ない」「滞在時間は長いが、離脱率も高い」など、気づいたことを書き出します。

ただしGoogle Analyticsは全体のサイトにおける訪問者の導線を確認することは可能ですが、LP自体について調査するにはヒートマップが適しています。どの場所をクリック、タップしたか、どこまで読んだか、どこでページから離脱したか、どの部分を熟読したかなどを詳しく確認することができます。

そして実際にユーザーにテストしてもらうことも大切です。それにはコストをあまりかけずにできる、A/Bテスト(ABテスト)を実施するといいでしょう。A/Bテストについては後述します。

仮説を立てる

問題点の洗い出しを終えたら、改善に対するアイデアを出します。

改善の余地がある部分として考えられるのが以下のようなものです。
  • ファーストビューを魅力的にする
  • 商品の強みを記載する
  • CVへの導線をスムーズにする
  • 申し込みフォームはわかりやすく簡潔にする
  • CTAの位置は適切か
アイデアのヒントとしては、「ユーザーの声を聞く」「異業種含め、多くの人が使うサイトの画面構成を参考にする」のもいいでしょう。そして、要素、配置、デザイン(色、形、フォントなど)、文言に関して、気になった点を書き出し、改善に向けた仮説を立てます。そして、より順位が高いと思われるものから実行します。

実施・検証してみる(A/Bテスト)

良いアイデアが出たとしても、既にサイトが公開されている中で、いきなり大幅な変更を行うことは容易ではありません。そこでまず、A/Bテストで検証を行います。

A/Bテストでは今あるページをベースに、修正を行いたい箇所のみに変更を加えたテストパターンを2~3程度用意し、どちらがCVRを多く得られるかをテストします。

時間帯や地域、ユーザーのプロフィールなどセグメント別のテスト結果を得ることも可能です。

より詳しいA/Bテストに関する解説は、下記ページをご参照ください。
ABテストとは

より詳しいLPO対策の方法は、下記ページをご参照ください。
「コンバージョン」を増やすLPO対策の方法と進め方

EFOも取り入れたい!エントリーフォーム最適化とは

SEO、LPOと併せてもう一つ、取り入れることを検討したいものがあります。それが「EFO」です。EFOとは、WEBサイトの入力フォームのデザインや仕様の最適化を指します。「Entry Form Optimization」の略であり、日本では「エントリーフォーム最適化」と訳されています。

WEBサイト上で商品購入や会員登録を行う際には、個人情報を入力する必要があります。しかし、入力内容が多かったり使いづらかったりするフォームの場合、ユーザーの途中離脱が増加してしまいます。エントリーフォームの最適化を行い、途中離脱を防ぎ、CVRを高めることがEFOの目的です。

EFOの具体的対策は、次の通りです。
  • 入力フォームを見やすくする(フォント、フォームの大きさなど)
  • 入力項目を減らす
  • 入力エラーの際の、再入力をなくす
  • 入力エラーを減らす(全角・半角の制約など)
  • 入力フォームページを1ページにまとめる
  • 郵便番号による住所の自動入力などの入力負担軽減

LPO改善により、有益なページを作成したとしても、最後の入力フォームが使いづらい場合、離脱が発生します。入力フォームでの離脱率が高い場合は、EFO対策を行うことでCVRの向上を実現させることができます。

まとめ:LPOとSEOを活用してCVRをアップ

LPOとSEOの違いや効果的な対策について紹介してきました。今回のポイントについて、改めてまとめましたので、LPOとSEO双方の重要性を理解するための参考にしてください。

EFOの具体的対策は、次の通りです。
  • LPO、SEOはそれぞれ、WEBマーケティング手法の一つである。
  • LPの最適化を行い、CVを増やすことを目的とするのがLPO、ユーザーの立場に立ってサイト全体の内容を充実させ見やすく工夫し、その結果として検索エンジンの上位に表示されるようにするのがSEO。
  • SEMという用語もあるが、SEMは検索エンジンを使ったマーケティング全体のことを指し、SEOもそこに含まれる。
  • LPO、SEOのそれぞれを意識して対策することで、相乗効果を発揮する。
  • LPO導入にあたっては、効果が出やすいWEBサイトかどうかの見極めが必要である。
  • LPOはツールを利用すると対策が容易になり、コンバージョンが上がりやすい。
  • 必要に応じてEFOを取り入れるとより効果的である。

以上のポイントをもとに、ぜひ、より強力でCVRがアップするサイトを制作してください。

DLPOでは、充実した機能とサポート体制でWEBマーケティングをバックアップしています。また、結果が出ないLPでお悩みであれば、DLPOまでお問合わせください。
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