LPOとは、「Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)」の略語であり、LPをユーザーのニーズに合わせて最適化し、ページのCVR(コンバージョンレート=成約率)を上げるマーケティング手法のことを指します。LPOを行う上で大切なことは、以下の2つだといわれています。
- 効果の上がるLPをつくること
- ユーザーごとにパーソナライズされたLPを用意すること
上記の条件を満たすLPをつくるためには、検証(テスト)が必要といわれており、検証用のサンプル作成の際には、デザイン性やクリエイティビティにこだわり過ぎず、極力合理的に行うことが大切だといわれています。
デザインというと、感性や創造性を優先させがちですが、LPOにおいては個人的な感情は排し、合理的に検証・分析を行う必要があります。
その上で、検証後に決まったLPに対して、デザインなどの完成度を高めていきます。
また、デザインする前に、LPが本来どのような特徴を持ったフォーマットなのかということをよく理解しておく必要があります。
LPを訪れるユーザーは、商品購入や無料サンプル請求、会員登録など、明確な目的やアクションを起こす意欲を持っている層であり、即時決断の可能性を持っていると考えられます。
そのため、「LPが原因で購入などアクションに至らなかった」という機会損失をいかに防ぐかが重要です。
ユーザーをLPから離脱させず、考えたり悩ませたりせずにCVにつなげるために必要な工夫を、以下に紹介しましょう。
- 流入元の広告と連動したメイン画像やキャッチコピーを使用する
- 選択肢を増やしてユーザーが迷わないよう、一つの問いに対する「Yes or No?」だけを問う
- 過剰な情報提供はNG!ユーザーが即断即決できる環境をつくる
- 自社サイトを含め、分岐や外部とのリンクを極力排除し、ユーザーをLP内に閉じ込める
提供する情報は必要最小限にとどめ、シンプルで、かつユーザーが直感的に理解できるものが望ましいといえます。
より詳しいLPOの解説はこちら
LPは、狭義の意味では、リスティング広告やバナー広告など主に広告のリンク先となる「1枚の縦長のWEBページ」を指します。各ユーザーのニーズに最適化し、必要な情報をダイレクトに伝えることに特化したページになっており、ユーザーをCVまで導くことを目的としています。
一方、通常のWebサイトの場合、SNSや検索サイトを含めると、無数の経路があり、ユーザーのニーズを特定することが困難です。そもそもWEBサイトの目的は、企業や製品の情報を伝えることにあります。そのため、1枚で完結するLPと違い、複数のページで成り立つデザインが一般的です。
LPとWEBサイトのデザインの違いについて、以下にまとめてみました。
- LP
- WEBサイト
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- 縦長の1枚完結型
- 申し込みリンク以外を貼らず、離脱を防ぐ
- ユーザーの目線は上から下に向かう
- 統一性よりも飽きさせないデザイン(フォントの大小やレイアウトの工夫)
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- メニューを設置し、複数のページの回遊が前提
- ユーザーの目線は上から下だけとは限らない
- 一定のフォーマットを作成した明確なルール設定(レイアウト・見出し・フォントなど)
LPのデザインを考える際、ページ構成の基本となるルールはあるのでしょうか。
商品が売れるロジックとLPOを用いた実践方法を解説した書籍「マーケッターとデータサイエンティストが語る売れるロジックの見つけ方」(発行:宣伝会議)では、主に4つのユニットに分けることができると紹介しています。それぞれのユニットについて、詳しく見ていきましょう。
1. キャッチユニット(ファーストビュー)
ユーザーが、LPを訪問し、初めて目にする部分です。
主に、キャッチコピーと画像で構成されています。
ユーザーが求めている情報があることを訴求します。そのためには、流入元となっているインターネット広告や検索キーワード、広告文などどの整合性を図ることが大切です。また、キャッチコピー周りには、誰に対する商品、サービスであるかを明確に記載します。
メイン画像はインパクトがあるものを選びます。中でも人物写真は目を惹くため、効果的とされています。商品写真そのものや、その商品やサービスを利用することで得られる効果をイメージさせる画像などもよいでしょう。
この部分に、ユーザーのアクションを促すための一つ目のコンバージョンボタンを置く場合もあります。
2. 説得ユニット
ファーストビューからスクロールすることで表示されるエリアです。
このユニットの役割は、ユーザーをつなぎ留め、説得することです。キャッチユニットの情報を裏付け、ユーザーが直感的に商品やサービスの魅力を感じられるように、商品・サービスのメリットやその理由などのほか、製造工程や成分内容の解説などを分かりやすい言葉(テキスト情報や写真、図表など)で説明します。
PRしたい情報を一方的に述べたり、説得に熱心になるあまり情報量が増えて難解になったりすることは避けた方がいいでしょう。
3. 安心促進(購買リスク解決)ユニット
このユニットは、ユーザーをCVに導くために、安心させる役割を担っています。ユーザーの不安や疑問を解決するために、商品やサービスの品質保証、製品保証、公的機関による分析結果などの情報をテキストやビジュアルを用いて説明します。ユーザーの共感を呼ぶために、メディア掲載情報や実際の利用者の声などを写真入りで掲載するのもおすすめです。
4. 申し込み回りユニット
LPの最後の部分になります。
ここでは、購入の理由づけを行います。「今すぐ買いたい」と思わせることで、CVにつなげられる確率が高まります。例えば、「2ステップで購入完了」「メールアドレスを入力するだけ!」のように購入の簡便性を伝える方法や「期間限定」「先着●名様限定」など緊急性を煽るもの、「限定プレゼント」「サンプルプレゼント」のようにプレミアム感を出す手法を用いることでCV向上を目指します。
LPの質を高めるためには、ユーザーが知りたい情報を知りたい順序で伝えることが大切だといわれています。LPのデザインにおいては、ユニット単位でとらえ、全体の流れや順序、組み合わせ、ボリュームなどについて試行錯誤を重ねながら、検証を行います。