セグメント化とは何か?意味や目的、具体的な事例について解説

現代のマーケティングにおいて、多様化する消費者ニーズを理解することが不可欠です。多様で複雑な顧客や市場の理解に欠かせないのが「セグメント」の考え方であり、「セグメント化」は市場分析の重要な手法です。

今回は、セグメント化とは何か、ターゲットとの違いや目的などの基本を解説したのち、実践編として具体的事例、導入すべきツールを紹介します。

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セグメント化とは

セグメント化とは何か、その意味とマーケティングにおける位置づけをまず理解しましょう。

セグメント化とは、一定の条件で対象をグループ分けすること

「セグメント」とは、区分、分割、あるいは分けた一部分のことをいいます。
「セグメント化」とは、一定の条件の下で「分けること」です。

マーケティング用語として使われるときは、顧客や市場を一定のルールで分けることをセグメント化といい、分けた個々のグループをセグメントといいます。
「セグメント」という用語は以下のように、マーケティング以外の分野でも幅広く使われています 。

  • ネットワークにおけるセグメントは、LANのなかの区切られた領域のこと
  • コンピュータメモリにおいては、メモリを区分けして管理することをセグメント方式 という
  • 財務のセグメントとは、事業部門や地域などで分割した財務情報のこと

マーケティングにおけるセグメント化は、顧客や市場を理解するための方法です。
「性別」「年代」「年収」「居住地」「購入履歴の有無」などの属性で分類し、分類された各グループのなかで、どのグループにどれくらい自社商品が受け入れられているのかを分析します。

セグメントとターゲットの違い

マーケティング用語で混同されやすい「セグメント」と「ターゲット」の違いは何でしょうか。

セグメントとは、市場や顧客を年代や職業などの属性で分けたいくつかのグループです。
ターゲットとは、自社が売り込みたい対象と考えるグループのことです。つまり、セグメント化したあとに、複数のセグメントのなかからターゲットを選ぶという流れになります。

マーケティング分析を行う際、知っておきたい手法として「STP分析」があります。セグメントとターゲットは、このSTP分析のなかで位置づけられます。
STP分析は「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の3つから成ります。また、セグメンテーションはセグメント化と同義です。

セグメンテーション

市場や顧客を属性で細分化(セグメント化)する

ターゲティング

細分化されたセグメントのうち、自社が売り込む対象となるターゲットを絞り込む

ポジショニング

絞り込んだ市場のなかの競合他社を調査し、自社の立ち位置を決める

STP分析は有効なマーケティング手法として活用されているので、セグメントとターゲットの違いと合わせて理解しましょう。

セグメント化の目的

セグメント化の目的は以下です。

1 市場の多様化に対応し、ターゲットを絞り込む(ターゲティング)

市場が成熟した現代、消費者のニーズは多様化しています。自社の商品を購入してくれるのはどんな人なのか、年代や職業などの属性で分けるセグメント化により明らかにします。そのうえで、特に有望なセグメントをターゲットとすることで、商品開発やマーケティング戦略の方向性が定まります。

2 競合他社との差別化を行う(ポジショニング)

特定のセグメントをターゲットに設定して売り込むと決めても、そこにも競合他社との競争があります。そこで前述したSTP分析の3番目、ポジショニングを行います。ターゲットのなかでさらに競合商品と自社商品を比較することで、「低価格」「高機能」「デザインの良さ」などの差別化ポイントを明確にできます。

3 マーケティングの効率化

セグメント化とそれに続くターゲティング、ポジショニング分析を経て、「どんな人に、どのように売り込むか」が明確になります。たとえばWeb広告の場合、ユーザーの年代や興味・関心の傾向に合わせて配信できるので広告費を節約でき、差別化ポイントを明確に伝えることでCVR(コンバージョン率)向上につながります。また、LP(ランディングページ)の場合なら、セグメントごとに最適な情報を出し分けることができます。つまり、セグメント化によりマーケティングの効率化が可能です。

マーケティングの初期段階でセグメント化は欠かせない手法です。

セグメント化の具体的な分類例、評価指標(4R)については以下の記事でくわしく紹介しているので参考にしてください。
参考:セグメンテーションとは?分類例や活用方法、事例について紹介

セグメント化の具体的な事例

セグメント化で成果を上げた具体例を、LPOツール「DLPO」導入事例よりピックアップして紹介します。

ユーザーの細かなセグメント化でCVを向上

モバオクの事例

インターネットオークションとフリーマーケットのWEBサービス「モバオク」には、2004年のスタート時からリピートを重ねるコアなユーザーと、イベントに新規で参加するライトなユーザーとがいて、セグメントごとにLP最適化を図っています。また、「ログインの有無」「既存ユーザーか新規ユーザーか」などでセグメント化してABテストを行った結果に基づき、表示内容を出し分けてCVを向上させています。今後は「決済のタイミング」などでさらに細かいセグメント分けをして改善を進めていく方針です。
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性別や年代、月利用額などでセグメントを分け、適切にパーソナライズ

エムアイカードの事例

三越伊勢丹グループのクレジットカードブランド「エムアイカード」は、リアル店舗と同様にネットの世界でも上質な体験を提供することに注力したコンテンツ作りをしています。一般カードからゴールドカードへの切り替えや、新サービスの告知などのWEBページを、「性別」「年代」「月の利用額」などのセグメントに分け、適切にパーソナライズされた情報を表示させることでユーザー体験の向上を図っています。
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ABテストの集計をセグメントごとに評価してCVアップ

ベルーナの事例

総合通販商社「ベルーナ」は、ミセス向けカタログから始まり、現在は幅広い年代・属性を持つ1800万人超の会員を対象に多様な商品を提供しています。サイト改善のためにABテストを行うにあたり、「新規顧客/既存顧客」「購入のある/なし」「会員ランク」「性別」「平日/休日」などのセグメントごとに集計を評価して傾向を分析しています。また、キャンペーンの際、セグメントによって表示内容を変えることもあります。たとえば「購入経験あり/なし」のセグメントで分けたとき、「購入経験なし」のユーザーには「80%OFF」よりも「¥1,000 OFF」が有効というABテストの結果が得られ、効果的な配信ができました。
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そのほかの導入事例を以下で紹介しているので参考にしてください。
参考:LPOツール「DLPO」導入事例

ツール導入による効果的なセグメント化

セグメント化を効率よく実施するためのツールを検討するときのポイントは、「セグメント化のあとに何をするのか?」ということです。セグメント化やSTP分析で顧客や市場を理解し、戦略を立てたあとの施策として、たとえば以下があります。

  • 広告配信
  • WEB集客
  • 既存顧客のリピート促進

ツールはマーケティング施策全体のなかで位置づけて選ぶことをおすすめします。
セグメント化に役立つツールとして、以下が挙げられます。

MA(マーケティング・オートメーション)ツール

見込み客の情報を一元管理し、メール送信などのマーケティング施策を自動化できるツールです。セグメントごとに異なるメール配信やキャンペーン案内などの施策を実施することで、購入意欲が高い見込み客へと導きます。

SFA(セールスフォース・オートメーション)

営業を支援するシステムです。顧客情報や案件の進捗状況、商談の結果などの営業情報をデータ化して活用するためのツールです。MAやDMPなどとの連携も可能。営業対象となった顧客のセグメント化により、どんなセグメントの売り上げが大きいかを可視化したり、SFAでSTP分析を行った結果をマーケティング施策に役立てたりすることができます。

DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)

DMPはインターネット上のユーザーデータを一元化したプラットフォームです。DMPでセグメント化を行い、広告配信施策などに活用できます。

LPO(ランディングページ最適化)ツール

LPを最適化するための、LP分析やLP制作、ABテスト、ターゲティングなどさまざまな機能があるツールです。「購入履歴の有無」などでセグメント化したユーザーに対して、LPページの表示を出し分けするなどのABテストを行い、WEB集客に効果があるのはどのLPなのかなどを検証できます。

LPOツール「DLPO」は、設定した条件ごとのパーソナライズ配信機能ほか、DMPなどのデジタルマーケティングツールと連携し、セグメントごとにABテストを実行できます。セグメント化に基づくランディングページ最適化により、WEB集客を促進します。
DLPOの製品情報はこちら

まとめ

セグメント化は多様化するユーザーニーズを理解し、自社の商品やサービスがどんなセグメントに売れるのかを知るために欠かせない分析方法です。セグメント化に引き続いて行うターゲティング、ポジショニングと合わせたSTP分析により、マーケティング施策を効率よく実施できます。

セグメント化を含めたマーケティング施策に役立つツールとして、MA・SFA・DMPなどが有効です。
DLPOはユーザーのセグメントごとにLPページはもちろん、オウンドサイト、ECサイトなどさまざまなWEBサイトに対応したLPOツールです。

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