「ABテストを知っている」「ABテストを実施したことがある」というWEBサイトの担当者は多いと思います。しかし、「ABテストを定期的に実施して、継続的にWEBサイトの改善をしている」という現場はそれほど多くありません。
ABテストの方法はシンプルで、無料ツールで実施することも比較的容易です。しかし、テストの結果をCVR（コンバージョンレート＝成約率）の向上に代表される成果に結びつけるためには、以下のような知識も必要です。
そこで、ABテストの知見を体系的に解説している本を読むことが有効です。今回は、ABテストを成功させるために役立つおすすめの本を、初心者向けから上級者向けまで厳選のうえ、ご紹介します。
ABテストはWEBマーケティングの手法のひとつです。データ分析をもとにLP（ランディングページ）などの改善をする際の重要な手段とされ、グロースハックを果たすためには特に有力だと言われています。ABテストは低コストで運用できること、シンプルで汎用性が高いことがメリットで、LPのほか広告やバナーなどの改善にも幅広く用いられています。
参考：【ABテストの方法】テストのメリットと効果的な実施方法まとめ
ABテストとは「AとBのパターンをどちらがより有効かをテストして、よい数値が得られた方を実際に採用する」というシンプルな方法です。しかし、実際の運用もシンプル、とはいきません。WEBサイトの担当者がABテストについて感じている課題は、たとえば以下のようなものです。
こうした悩みを解決するのに、ABテストについて体系立てて解説した本が役立ちます。わかりやすい初心者向けから順を追ってご紹介します。
ABテストを始めたい人、今現在実施している人、WEBマーケティングチームのリーダーなどにおすすめの本を4冊ご紹介します。
本書は「サイトリニューアルは時代遅れ」という警告から始まります。リニューアル後に以前より数値が下がってしまう可能性があるからです。WEBサイトの改善に不可欠な、正しいABテストの手順が紹介されています。
具体的な手順、仮説の立て方、よくある失敗ポイントなどを示し、企業事例も豊富です。ABテストで成果を上げるためのチームの運営方法や、後半の「すぐに使える実践ワザ」も参考になります。
外部リンク：『A/Bテストの教科書』
野口竜司／著 マイナビ出版／発行
データサイエンティスト3名の共著。Google、Amazon、Microsoft、LinkedInなどで実務を担当した著者たちが蓄積したABテストの知見を余さず、そしてわかりやすく公開しています。ABテストを正確に実施してさらに成果を出したいと考える現場の担当者にとって頼れる参考書となっています。
第Ⅰ部はすべての人向け、第Ⅱ部はすべての人向けだが特にリーダーや経営層向け、第Ⅲ部以降はデータを扱う担当者向けとなっています。
外部リンク：『A/Bテスト実践ガイド』
Ron Kohavi、Diane Tang、Ya Xu／著、大杉 直也／訳 KADOKAWA／発行
ABテストの事例をWEBデザインに特化して集め、「WEBページの課題→ABテストに用意した２つのページ→テストの結果」というフォーマットで豊富に紹介しています。事例は、「金融」「リード獲得」「サブスクリプション」「EC」とジャンル別に紹介され、オールカラーで見やすい構成です。「どんなWEBページがよく見られ、支持されるのか」を知るのに有効で、ABテスト担当者のほか、クリエイティブの制作者にも参考になるでしょう。
外部リンク：『2万回のA/Bテストからわかった 支持されるWebデザイン事例集』
鬼石真裕、KAIZEN TEAM／著 技術評論社／発行
最後に、ぜひ読んでおきたいイチオシの一冊を挙げておきます。
本書の特徴は、ABテストの実施方法や技術的な解説のみならず、商品が売れるメカニズムや、「売れる！」を実現する販売ロジック発見のために、なぜ、ABテストなどを用いた検証実験が重要なのかを詳しく解説している点です。ABテストを実施する根拠となるロジックから、押さえておくべきABテスト実践のテクニカルなポイントまでを余さず解き明かしています。
また、「ABテストにはなぜ仮説が重要なのか」「ABテストにLPOツールを活用することでどんな成果が得られるのか」などの問いについても答えを示してくれます。深い内容ですがやさしい言葉で書かれていて、読みやすいことも魅力です。
外部リンク：『マーケッターとデータサイエンティストが語る 売れるロジックの見つけ方』
後藤一喜、山本覚／著 宣伝会議／発行
ABテストについてだけでなく、ABテストを運用するときに欠かせない幅広い知識を学びたい人もいるでしょう。データ分析によりWEBサイト改善をはかる「グロースハック」や、WEBにより集客する「WEBマーケティング」の全体像を知りたい人におすすめの本を紹介します。
「Webマーケッター・瞳」の成長ストーリーを縦軸に描きながら、マンガと解説文でWEBマーケティングの最新の知識を紹介していきます。まずはマンガの部分だけを読んでストーリーをつかんだ後に解説を読むのがおすすめです。「Webマーケティングの指標」「KPI設定」「アクセス解析」など、WEBマーケティングの専門用語や概念が無理なく頭に入ってきます。
また、トラブルとの正しい付き合い方や課題解決法、データを活用するマーケティングなど、実践に役立つ知識が幅広く紹介されています。
外部リンク：『マンガでわかるWebマーケティング 改訂版 Webマーケッター瞳の挑戦！』
村上佳代／著 インプレス／発行
こちらもビギナー向けのWEBマーケティング入門書として知られています。2015年の本ですが、2020年に改訂版が発売されて人気再燃中です。「ヒロインめぐみの父が経営するオーダー家具会社のSEO順位急落の危機を救うため、伝説のマーケッターが登場」という場面から始まり、マンガのストーリー仕立てで理解を深めやすくなっています。マーケッター「ボーン・片桐」が以下、多岐にわたる項目を解説してくれます。
外部リンク：『沈黙のWebマーケティング ─Webマーケッター ボーンの逆襲─ アップデート・エディション』
松尾茂起／著 エムディエヌコーポレーション／発行
人気の「いちばんやさしい教本」シリーズの一冊。グロースハックの基本をタイトル通りわかりやすく解説しています。データを駆使し、エンジニアリングの力で企業を成長させていくグロースハックの重要性、グロースチームのつくり方、「ARRRA」モデルとは何か、などを紹介しています。入門書といいつつ充実した内容なので、しっかり読み込んで理解すればグロースハッカーとしてスキルアップできます。
外部リンク：『いちばんやさしいグロースハックの教本 人気講師が教える急成長マーケティング戦略 「いちばんやさしい教本」シリーズ』
金山裕樹、梶谷健人／著 インプレス／発行
前述の3冊は初心者向けですが、こちらは中級者にとっても手離せない、タイトル通りグロースハックの手法が体系的に網羅されている一冊です。グロースハック」という言葉の生みの親で、その手腕で「Dropbox」のサービスを急成長させた実績があるショーン・エリスと、Facebookのプロダクトマネージャーであるモーガン・ブラウンの二人が初めて書き下ろした、グロースハックを実践したいマーケティングチームのための指南書です。翻訳書にありがちな文章の難解さはなく、豊富な事例を交えながらわかりやすい言葉でグロースハックの実践方法が語られています。
外部リンク：『Hacking Growth グロースハック完全読本』
ショーン・エリス、モーガン・ブラウン／著 門脇弘典／訳 日経BP／発行
今回は、ABテストとそのバックグラウンドにあるWEBマーケティングの知識を学びたい人、効率よくWEBの集客を増やしたい人などに人気の本をご紹介しました。
前半の4冊からは、「ABテストとは何か」「ABテストの結果を活用してWEBで効果を上げる方法」など基本から実践までを学べます。後半の4冊は、ABテストを含むグロースハックやWEBマーケティングの分野で多くの人に支持されているおすすめ本です。
ぜひこれらの本を業務に、スキルアップにお役立てください。
DLPOは、これまで約850社以上のABテスト等を支援しております。ツールのご導入を頂いた企業様には電話・メールでのサポートでの常時サポート対応はもちろんのこと、勉強会の実施や成功事例の共有も行っています。
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