Googleオプティマイズとはどんなツールか、Googleオプティマイズのメリット、無料でABテストを実施するための準備と実施方法について解説します。
Googleオプティマイズとは、Googleが提供する無料のウェブテストツールです。ほかに高機能の有償版「Googleオプティマイズ360」も提供されています。
かつてはGoogleアナリティクスでABテスト機能が提供されていましたが、2019年8月以降、ABテストを含むウェブテスト機能はGoogleアナリティクスと連携したGoogleオプティマイズへ移行されました。
Googleアナリティクスで取得したデータを元にGoogleオプティマイズでテストを実施したり、Googleオプティマイズのテスト結果をGoogleアナリティクスで確認したりというように活用できます。
Googleオプティマイズは、下記のようなテスト機能を備えています。
- ABテスト
- リダイレクトテスト
- 多変量テスト(MVT)
ほかにも、サイトを手軽に変更できるビジュアルエディタや各種ターゲティング機能などもあり、使い勝手や利便性が向上しています。
Googleオプティマイズのメリットは以下です。
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ABテストを簡単に実施できる
管理画面(ビジュアルエディタ)で簡単にテストを準備・実施可能で、工数を削減できます
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テスト結果が自動集計される
Googleオプティマイズはテスト結果が自動集計され、一定期間経過後にレポートで確認できます。テストごとにCV数、CVRなどの重要指標を検証することが容易です。
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- 検索順位や広告スコアに影響を与えない
テストの実施がSEOの順位や広告スコアに影響を与えないのも、Googleオプティマイズの大きなメリットです。
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Googleオプティマイズでは多くのテストを無料で実施できますが、同時テスト数やテスト目標数などに制限があります。より大規模なABテストを行いたいときは有償版が必要となります。
Googleオプティマイズで実施するテスト結果の測定には、Googleアナリティクスをプラットフォームとして活用します。そのため、最初にGoogleオプティマイズをアナリティクスとリンクさせる必要があります。
以下の手順に沿って設定を行ってください。
まず、事前準備として、Googleアナリティクス側でアカウントを作成し、解析対象のサイトにトラッキングコードを設置します。
次に、利用ブラウザとしてChromeを導入。Googleオプティマイズのビジュアルエディタでテスト作成を行うのであれば、拡張機能をインストールします。
1:Googleオプティマイズのアカウントとコンテナの作成
事前準備が完了したら、Googleオプティマイズのアカウントとオプティマイズの設定情報がすべて保存される「コンテナ」を作成します。
2:Googleアナリティクスへのリンクを設定
Googleオプティマイズのコンテナの情報パネルに、テストを行うGoogleアナリティクスのプロパティを選択します。
リンクさせることにより、Googleアナリティクスのデータを元にGoogleオプティマイズでテストを行ったり、Googleオプティマイズのテスト結果をGoogleアナリティクスで確認・分析できたりするようになります。
3:対象サイトにGoogleオプティマイズのスニペットタグを設置
スニペットタグとは、オプティマイズを起動させるために必要な埋め込みタグのことです。テストを実施するサイトに「オプティマイズスニペット」を追加します。
オプティマイズスニペットは、既存のGoogleアナリティクストラッキングコードにコード行を追加することで設定できます。
Googleタグマネージャを使用している場合でも、オプティマイズプラグインを設定したアナリティクストラッキングコードを対象ページに直接インストールする方法を推奨しています。
GoogleアナリティクスとGoogleオプティマイズの準備・設定が完了したら、いよいよABテストの作成と実施です。下記の手順に沿って進めましょう。
1:仮説の立案
まずは、テスト内容とパターンを作成するための仮説を立てます。
「CTAのデザインと配置場所を変えれば、クリック率が改善されるのでは?」など、手持ちのデータを元に何が問題点なのか仮説を立てた上で、実際のテスト作成に進みます。
2:エクスペリエンスの作成
Googleオプティマイズのテストは「エクスペリエンス」を作成して行います。
エクスペリエンスはテストのプロジェクトのようなものであり、
- テストの名前
- テスト対象ページのURL
- テストの種類(ここでABテストを選択)
などを指定します。
3:パターンの追加
次にABテストにおいて比較対象となるパターンを追加します。
オリジナルページに相当するAパターンと、仮説に従って内容を変えたBパターンを作成し、それぞれのパターンがどれくらい表示されるかの比重も設定します。
テストパターンの変更は、事前準備で拡張機能をインストールしていれば、ビジュアルエディタ上で画面を見ながら変更できます。
4:追加したパターンに対する目標やターゲットを設定
パターンを追加したら、それぞれで追うべき目標を設定します(複数設定可)。
- PV数
- セッション継続時間数
- 直帰数
- AdSenseの広告インプレッション数
- クリックされた広告数
などのシステム目標が用意されているほか、カスタムで設定することもできます。
また、特定のユーザーだけにテストパターンを表示したい場合は、ターゲティング設定も行いましょう。
地域やユーザー環境、行動(流入元)、Googleアナリティクスのユーザーリストなど、さまざまなターゲットを指定できます。
5:スケジュール登録とテスト期間
最後に、テストを実施するスケジュールを登録します。
テスト期間は、最低でも2週間以上に設定してください。これは、ウェブトラフィックの変動周期が1週間であることを考慮した期間設定になります。
すべての準備が整ったら、実際にABテストを開始しましょう。
ABテストの手順について詳しく解説している以下の記事も参照してください。
※ ABテストの実施のコツや注意点について:【AB テストの方法】テストのメリットと効果的な実施方法まとめ
※ 成果を出す仮説の立て方について:仮説が AB テストの成功を左右する!成果を出す仮説の立て方