最終更新日: 2025年02月04日 【ABテストとは?】ABテストのメリットと効果的な実施方法、事例を解説

WEBサイトのCVR(コンバージョンレート=成約率)改善を目指すうえで、有効な手法の一つがABテストです。特にリスティング広告やSNS広告などから誘導するLP(ランディングページ)を、ABテストを活用して改修することで、売上や問い合わせ数アップを狙えます。

今回は、ABテストの基本と全体像を知りたい方向けに、ABテストとは何か、ABテストのメリット・デメリットや、より成果の出る方法をまず紹介し、後半は効果的なやり方や事例、おすすめのツールを解説します。

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そもそもABテストとは何か?

ABテストとは、サイトのパフォーマンスを改善させるWEBマーケティングの手法の一つです。特にLP(ランディングページ)を最適化しCVRを向上させたいときに適しています。

具体的には、AとBという2つのページパターンを用意し、それぞれのエンゲージメント率やCVRを計測して、チャンピオンページを導き出すというものです。テストパターンはAB2種類のほか、3つ以上となる場合もあります。

ユーザーへ表示するテストパターンの振り分け方は、いくつか種類があります。全ユーザーへランダムに表示させる方法もあれば、事前に指定した割合のユーザーにのみテストパターンを表示させる方法、ユーザー属性や訪問履歴といった特定のセグメントに当てはまるユーザーにのみテストパターンを表示させる方法などさまざまです。

ABテストの対象となるページは?

ABテストは一般的にLPの最適化に向いていると言われています。ほかに以下のページなどでも目的によってはABテストが有効です。

  • トップページ
  • 商品ページ
  • 購入フォーム
  • メールマガジン
  • 広告

ただし、ユーザーにインパクトを与えるためには、最初に見る可能性の高いLPを優先的に行うことをおすすめします。

参考:ABテストで広告の改善をする方法

ABテストの必要性

ABテストは、複数のページを比較・検証することで、エンゲージメント率やコンバージョン率(CVR)が高い「チャンピオンページ」を特定する有効な手法です。では、具体的にどのような場面でその成果が表れるのでしょうか。

売上や問い合わせ数アップにつながる

ABテストを活用することで、商品購入、問い合わせ、資料請求といったコンバージョンの導線を最適化し、機会損失を減らせます。たとえば、WEBページのコンバージョンが思うように伸びない場合、訪問者が「必要な情報が見つからない」「第一印象が良くない」「購入や応募を決める要素が不足している」などの理由でサイトを離れている可能性があります。これらの原因を探り、改善するためにABテストは非常に有効です。

特にファーストビューは離脱率に大きな影響を与えます。購入ボタンや画像、キャッチコピーなどを詰め込みすぎていると、訪問者がどこに注目すべきか迷ってしまい、結果的にページを離れてしまうケースがあります。こうした課題に対して、CTA(Call To Action)の配置、テキスト、画像などの個別要素を検証し、最適な組み合わせを導き出すことがABテストの目的です。

また、リスティング広告やSNS広告から遷移したランディングページ(LP)の内容が広告と乖離している場合も離脱の原因となります。LPの訴求ポイントや表現を広告と一貫させることで、訪問者の期待を裏切らず、CTAまでスムーズに誘導できる可能性が高まります。

ユーザー視点のUI・UX改善ができる

ABテストはユーザーの実際の行動データをもとに、どちらのパターンが好まれるかを検証する手法です。そのため、よりユーザー視点に立った改善が可能になります。たとえば、レイアウトやデザイン変更がユーザー体験にどう影響するかをデータに基づいて評価できるため、直感に頼らず効果的なUI・UX(ユーザーインターフェース・ユーザー体験)の改善が進められます。主観的な目線では見つからなかった、新たなアイデアに気づける可能性もあるでしょう。

UI・UXが向上することで、訪問者がページに長く滞在しやすくなり、結果的にコンバージョン率の向上を期待できます。特に、クリック数やページ滞在時間といった定量的なデータを分析し、最適な施策を選び取ることで、より快適で効果的なサイト構築が可能になります。

ABテストを実施するメリット

ABテストは、低コストかつスピーディーに成果を得られる手法として、また部分改善の強力な判断材料として、WEBサイト運営者にとって不可欠なツールです。効率的に活用することで、短期間でコンバージョン率を大きく向上できるでしょう。

低コストでスピーディーに成果が出せる

ABテストは、2つ以上のパターンを比較し、どちらがより高いエンゲージメント率やコンバージョン率(CVR)を出すかを検証するシンプルな方法です。このシンプルさこそが大きな魅力であり、スモールスタートが可能です。テストの実施期間も一般的に2週間程度と短いため、スピーディーに結果を得られます。この点は広告のようなマーケティング手法とも共通していますが、ABテストはさらに低コストで取り組める点が魅力です。

たとえば広告の場合は、広告を出稿しつづける限り費用がかかります。一方でABテストは、テストの実施そのものに大きな費用は必要ありません。ABテストツールを活用する場合でも、無料プランやトライアルを使えば、初期費用を抑えつつ効果的な検証が可能です。適切なツールを選び、費用対効果を見極めながら進めることで、限られた予算内でも大きな成果を期待できます。

サイトの部分改善の判断材料になる

ABテストは、WEBサイト全体の大幅なリニューアルではなく、特定の要素を改善するための判断材料として最適です。たとえば、ボタンの色や配置、テキストの変更、画像の選定といった部分的な変更に対するユーザーの反応を検証できます。このような部分改善を積み重ねることで、サイト全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

1回のテストには通常1つの変数のみを含め、検証結果の精度を高めるのが基本です。しかし、場合によっては複数の変数を組み合わせて最適なパターンを探ることもできます。こうしたテスト結果を蓄積することで、有効なパターンとしてノウハウ化し、他のコンテンツやキャンペーンでも応用できる点もABテストのメリットです。

さらに、ABテストによって得られたデータによって、感覚や推測ではなく、客観的な数値に基づいた意思決定が可能になります。その結果、WEBサイトの改善施策の精度がより高まり、無駄なコストや時間の削減にもつながります。

ABテストを実施する際の注意点

ABテストは効果的なマーケティング手法の一つですが、PVの確保や結果の分析といったプロセスに注意が必要です。適切なツールを使いながらテストを進め、得られたデータをもとに改善を重ねることで、より良い成果を得られる可能性が高まります。

PVが少ないと、テストに時間がかかる

ABテストで信頼性の高い結果を得るには、一定以上のサンプル数が必要です。このため、一般的にテスト期間は約2週間を目安に設定されます。しかし、テスト期間中に十分なページビュー(PV)が集まらなければ、有意な結果が得られず、テスト期間を延長する必要が生じます。特に、訪問者数が少ないページでの検証や、テスト対象のセグメントを絞り込みすぎた場合には、想定以上に時間がかかる可能性があるため注意が必要です。

また、同じページで複数の要素を同時にテストしてしまうと、どの変更が数値に影響を与えたのか判別が難しくなります。その結果、テストが複雑化し、時間が余計にかかってしまうこともあります。このような状況を避けるために、ABテストツールを活用してテストパターンごとのデータを管理し、変化を正確に把握することが重要です。ツールを使用することで、管理が効率化され、テストの精度が向上します。

有意な結果が得られない場合もある

ABテストの目的は、仮説の検証を通じてパフォーマンス向上につながるデータを得ることです。ただし、必ずしもすべてのテストで統計的に有意な結果が得られるわけではありません。統計的に有意とは、得られた結果が偶然ではなく、実際の要因による変化であることを意味します。しかし、以下のような理由で検証がうまくいかない場合もあります。

  • 仮説に基づく変更がユーザー行動に大きな影響を与えなかった
  • 外部要因(季節、トレンド、競合の施策など)が結果に影響を及ぼした
  • データ量が不十分で、信頼性の高い結論を導けなかった

さらに、ABテストの結果を適切に分析し、次のアクションに活かすには一定のスキルと経験が求められます。結果の数値だけでなく、背景にあるユーザーの意図や行動を考慮して分析することで、効果的な改善策を見つけられます。

しかし、ABテストの実施自体は低コストかつリスクの少ない手法であるため、失敗を恐れずに試してみる価値は十分にあります。一度のテストで成果が出なくても、その経験を次の施策に活かすことで、長期的な成功につながるでしょう。

【事例あり】ABテストの種類

ひとくちにABテストと言っても、実施方法によっていくつかの種類に分類されます。ここではDLPOの事例を踏まえ、ABテストの種類を紹介します。

実施期間による分類

ABテストは実施期間によって「逐次テスト」と「並行テスト」という2つのパターンに分けられます。

逐次テスト

逐次テストは、AパターンとBパターンを別々の期間で比較する方法です。この手法では、LPOツールなどの特別なシステムを必要とせず、簡単に実施できます。しかし、時期や外部要因により結果が左右されるため、信頼性が低い点がデメリットです。たとえば、キャンペーンや季節的な需要の変化が影響する場合には正確な比較が難しくなるでしょう。

並行テスト

並行テストは、同時期に異なるパターンをユーザーごとに振り分ける方法です。同条件で比較が可能であり、結果の信頼性が高い点がメリットです。この方法を用いる際は、曜日や時間帯によるユーザー行動の違いを考慮し、最低1週間、できれば2~3週間のテスト期間を設けることが推奨されます。ただし、1カ月以上の期間をかけると大きな変化は望みにくいため、テストの終了タイミングには注意が必要です。

テストパターンの範囲による分類

ABテストは、テストパターンの範囲や作成方法によって、次の4つに分類できます。

  • ABテスト(同一URLテスト)
  • リダイレクトテスト
  • 複数ページテスト
  • 多変量テスト

ABテスト(同一URLテスト)

ABテストの基本形で、1つのページにおいて、同一のコンテンツブロックの要素を比較する手法です。同一のページに対し、メインビジュアル、キャッチコピー、CTAボタンの色や形など、細かな違いを持たせた複数のテストパターンを作成し、CVR(コンバージョン率)や離脱率の変化を測定します。一度にテストする要素は1つに絞るのが基本です。

【特徴】

  • ABテストの基本形
  • 1つのページ内の1要素のみを変数として、テストパターンを作成

エムアイカードのABテスト事例|顧客目線に立ったクリエイティブでCVRを30%改善

クレジットカード会社の事例です。毎月の利用明細書について、WEBで確認するサービスの登録数が伸び悩んでいたため、「WEB明細サービス」というネーミングがわかりにくいという仮説を立てました。「紙の明細書STOP!!」というクリエイティブを新たに作りABテストを実施したところ、CVRが大きく向上しました。

詳細:クリエイティブ訴求の表現を変えただけでCVR30%改善を記録!〜エムアイカードのABテスト事例〜

リダイレクトテスト

リダイレクトテストは、テスト対象ページにアクセスした際、別のURLにリダイレクトして比較を行う方法です。この手法ではAパターンとBパターンが異なるURLで構成されるため、大幅なUI改修やレイアウト変更を伴うテストに適しています。

【特徴】

  • 自由度が高く、大規模な変更も可能
  • Google Analyticsなどを活用した正確なデータ分析が容易
  • 多様なツールが対応している

ワタベウェディングのABテスト事例|ファーストビューのリダイレクトテストでCVR大幅アップ

リゾートウエディングの見積もりを受付するLPで、ファーストビューのキャッチコピーの組み合わせをリダイレクトテストで検証しました。メインコピー2種(ハワイウェディングorリゾートウエディング)とサブコピー2種(意外とリーズナブル!¥148,000〜 or人気のチャペルが!¥148,000〜)をテストしたところ、具体的な場所とユーザーニーズを強くアピールしたコピーがチャンピオンページとして選ばれました。

この他にも、ユーザーの声をもとに予約フォームの項目数を絞る、全て自分で選ぶのではなくチャペル紹介サポートなどのバナーテストを実施しました。その結果、CVRは154%の向上、来店フォームへの誘導は220%の増加を達成することができました。これらの施策により、ユーザーニーズを的確に捉えた改善が、ビジネス成果に直結することを実証しました。

詳細:フォーム誘導220%、来店予約154%の改善を達成!〜ワタベウェディングのABテスト事例〜 - DLPO株式会社

複数ページテスト

比較要素が複数ページにわたる場合のABテストで、CVまでの導線設計を検証する場合に使われます。たとえば、ECサイトの購入画面や、サービスの申し込みページなど、起点となるページ内に設置したリンク先へと遷移しながらCVに導く場合に活用される手法です。

複数ページテストを実施する際は、導線がシンプルに設定されていると、検証結果がわかりやすくなります。仮説をしっかり作り込んだうえで複数ページテストを実施することで、1ページ単位のテストでは見えていなかった結果を判定できる可能性があります。

スタジオマリオのABテスト事例|訪問者の属性に合わせた画像を表示することで、CVRを28.9%改善

お宮参りや1歳の誕生日記念、七五三など子ども向けの撮影が多いフォトスタジオでの事例です。「お誕生日撮影(バースデーフォト)」のページで、ユーザーが入力した属性に基づき、性別や年齢に合わせた撮影例をメインビジュアルに表示させた結果、CVRが28.9%改善されました。

詳細:メインビジュアルの出し分けで、CVR28.9%改善を実現!〜スタジオマリオのABテスト事例〜

多変量テスト

多変量テストは、複数の要素を同時に組み合わせて最適なパターンを検証する手法です。この手法では、各ページの要素を組み合わせたテストパターンを用意し、ユーザー行動やCVRの変化を比較します。一度にさまざまな要素の効果を検証できるためスピーディーに成果を出せる可能性がある一方で、有意義な多変量テストを実施するには仮説をしっかり設計する必要があります。

【特徴】

  • 一度に多くの要素を検証するため、成果に素早く辿り着きやすい
  • 仮説をしっかり設計しないと、結果が解釈しにくい

関連記事:ABテストではなく、多変量テストを使用すべき場合とは?

auファイナンシャルサービスのABテスト事例|複数の要素を多変量解析した結果、CVRを119%改善

クレジットカード事業ほか、ローン事業、決済代行事業を手がける企業の事例です。クレジットカードの顧客獲得強化のため、LPのABテストを実施しました。CVボタンの色、形のテスト、テキストのテスト、メインビジュアルのテストを行い、次の段階として、多くの組み合わせを検証する多変量テストを行っています。具体的には、ABテストの勝ちパターンを参考に、カードの画像サイズ、コンテンツの表示順、カードが使える店舗ロゴのあるなしなど、さまざまな組み合わせパターンを検証し、CVRの改善につなげました。

詳細:ボタン、メインビジュアル、利用イメージの多変量解析でCVR119%改善!〜auフィナンシャルサービスのABテスト事例〜

関連記事:ABテストの事例記事集

成果を出すためのABテストの比較要素

ABテストのパターンを作成するには次の4つの観点で考えていきます。

  • 要素の有無
    ページ内にどのような要素を入れ込むかを考えます。入れ込む要素として考えられるのは、画像、キャッチ、情報、説明文、応募ボタンなどです。
  • 配置
    ページ内の必要な要素をどこに配置するのかも重要です。たとえば応募ボタンをページの上部に表示するのか、下のほうに表示するのかによってもCVRは異なってきます。
  • デザイン
    応募ボタンの色や、トップ画像を変えただけでも印象は大きく変わります。
  • 文言
    情報ページのキャッチコピーや、情報の内容、応募ボタンの文言なども、わずかな変更でユーザーの反応が変化します。

以上を踏まえたうえで、ファーストビュー、メインキャッチコピー、アクションボタン、フォーム画面、導線などが、ページの役割・目的にあっているか、チェックしていきます。

ファーストビュー

ファーストビューは、ユーザーがページにアクセスして最初に目にする部分です。一般的に、ユーザーはページを開いてから3秒以内にページの価値を判断すると言われています。そのため、ファーストビューでユーザーの関心を引きつけられないと、次のアクションを起こさずに離脱してしまうでしょう。

ファーストビューの改善では、写真や色などの視覚的な要素と、メッセージ性が重要です。ファーストビューに採用する画像はターゲット層に合ったものを選び、商品やサービスの魅力が一目で伝わるようにしましょう。人物写真を使用する場合は、性別や年齢層、ファッションの印象まで考慮することで、より効果的に訴求できます。また、キャッチコピーは簡潔でインパクトのある表現を心がけ、ページ全体の目的や内容が直感的に理解できるように工夫してください。

ファーストビューはランディングページに限らず、企業サイトやECサイト、オウンドメディアなど、あらゆるページで重要な役割を果たします。ファーストビューを改善することで、ユーザーの興味を引き、CVRの向上が期待できるでしょう。

CTAボタン(アクションボタン)

CTA(Call To Action)ボタンは、ユーザーに購買や問い合わせなどの行動を促すためのボタンです。たとえばECサイトなら「カートに入れる」「購入に進む」などがCTAボタンにあたります。

CTAボタンには、「今なら〇%オフ」といったユーザーにとってのベネフィットを記載すると、関心を引きやすくなります。しかし、情報を詰め込みすぎるとメッセージが伝わりにくくなるため、適切なバランスが必要です。商品の購入や資料請求など、LPの目的を明確にし、それに最適な文言やデザインを選ぶことが重要になってきます。

また、ボタンの配置やデザインもCVRに影響します。こうした要素をABテストすることで、ページのパフォーマンス向上を目指せるでしょう。

タイトルやキャッチコピー

ページ内のタイトルやキャッチコピーは、テキストの内容はもちろん、フォントの種類や色、文字の大きさ、配置場所といったビジュアル要素も含めて、CVRに影響する要素です。ユーザーへの訴求効果が高い情報を目立つ形で配置できるようテストすることで、より印象的に商品やサービスを伝えられるようになります。

特にLPの場合、広告や検索結果から訪れたユーザーがギャップを感じないように、ページ内の表現を広告文や検索キーワードと統一することも重要です。また、ヒートマップを活用すれば、ユーザーが注目している箇所を把握できるため、それをもとに効果的な配置を図れます。伝わりやすく魅力的なキャッチコピーは、ページ全体の訴求力を高めるカギとなります。

フォーム画面

フォーム画面は、商品購入や資料請求といったCVが完了する直前にユーザーが目にする箇所です。フォーム画面のテストは、ユーザーの使いやすさを追求しながらパターンを作成していきます。

フォームは項目数が多かったり、入力が複雑だったりすると、離脱を招きやすくなります。そのため、フォームに含める項目を精査し、不必要なものを省くことでCVRの向上を図れるでしょう。また、入力欄に例文を設置することで、ユーザーの入力負担の軽減につながります。

さらに、フォームの配置場所も重要です。ページ内に自然な導線となる位置にフォームを設置することで、スムーズな入力を促せます。これらの要素をABテストで比較し、最適なページ構成を見つけることで、UXの改善とCVRの向上につながるでしょう。

導線

ページ内の導線設計も、CVRに大きな影響を与える要素です。特にLPでは、ユーザーの離脱を防ぐために導線の最適化が重要視されます。

もしページ内に複数の外部リンクが存在する場合、ユーザーがページ外に移動してしまう可能性が高まります。そのためLPでは、サービスの申し込みや資料請求といったCVに直接つながるリンクのみに絞ることが一般的です。企業HPやオウンドメディアへのリンクが必要な場合でも、配置を工夫し、ユーザーの注意をCVリンクへ向けることで離脱を防げます。

さらに、CVの選択肢が多すぎると、ユーザーが迷い、最終的に離脱してしまうリスクも考えられます。導線はシンプルに設計し、CVまでのページ遷移数を最小限に抑えることが、CVR向上のカギになるでしょう。ABテストを活用して導線を検証し、ユーザーがスムーズに目的地へ到達できる設計を目指してください。

効果的にABテストを進める流れ

ABテストを実際に行ううえで大切なポイントがいくつかあります。以下の点を踏まえ、成果にコミットしたPDCAを回してみてください。

目的を明確にする

ABテストは、「バナーのクリック率を上げたい」のか、「サイトの離脱率を下げたい」のか、目的を明確にして行ったほうが、以降の作業がぶれることなく効率良く行えます。目的としてはほかにも「資料請求率を挙げたい」「商品の購入数を増やしたい」「ユーザーの登録数を増やしたい」などが考えられます。

サイトのパフォーマンスを上げることが大きな目標ですが、まずは、よりブレイクダウンした目標を明確にすることが、最終的に成果につながりやすくなります。

仮説をしっかり立てる

目的が明確になったら、分析ツールなどを使って調査・分析を行った後、修正が必要と考えられる箇所の改善策について仮説を立てます。ユーザー心理を考えながら、色、フォント、大きさ、文章などを「こうしたら良いのではないのか」とアイデアを出していきます。

ついあれもこれもとテストを行いたくなりますが、効果が出そうなところにポイントを絞って仮説を立てたほうが、作業が効率化され、結果の評価もしやすくなります。

関連記事:仮説がABテストの成功を左右する!成果を出す仮説の立て方

優先順位の高い要素から順にテストする

目的が明確になり仮説が立てられたら、優先順位の高い箇所から取り掛かっていきます。優先順位を決める3つのファクターは「可能性・インパクト・簡単さ」です。

まずは、CVR向上の可能性が高く、インパクトをもたらすと思われるところから着手します。また、複雑な箇所は実装に時間がかかってしまい、結果が出なかった場合には時間的な損失が大きくなってしまうので、簡単にできる箇所でテストを行い、CVRを上げていくことを考えるといいでしょう。

結果を分析してPDCAを回す

ABテスト実施後は、結果について分析、検証を行います。検証には統計学を用い、正しく判断する必要がありますが、実はABテストを実施しても、結果に明らかな違いが出るのは3割程度と言われています。7割はテスト結果に有意差が見られず、優劣がつけられないまま終わってしまいます。

優劣がつくまでテスト期間を延長したほうがいいのでしょうか。

ABテストの期間はテスト内容によっても違い、あらかじめ必要十分に設定する必要がありますが、結果が出ないときに期間を延長する方法はあまりおすすめできません。単純に期間を延長しても結果を得られるとは限らないからです。

それよりも、有意差が出ないという結果を踏まえて、新たな仮説を立て、次のテストプランへと進むなど、PDCAを回すことが重要です。

関連記事:そのABテストの結果は正しい?検定や統計学に基づき正しい判断をする方法

おすすめのABテストツール

ABテストを試みたい箇所が決定し、仮説も立ったら後は実行するだけです。その実行にあたり便利なのがABテストツールです。

ここでは、代表的なABテストツールを3つ紹介します。

DLPO

DLPOはこれまで約850社以上のABテスト等を支援しているツールです。LP、トップページ、入力フォームなどで自在にABテストを行えます。直感的でわかりやすい操作画面のため、デザイン・コーディングの専門知識がなくてもアイデアを実現しやすいのが特長です。

また、ABテストだけでなく、多変量テストなど多様なテスト種にも対応しています。さらに、DLPOならば年齢別、性別など、セグメントごとの結果を取得できます。パーソナライズされたページの作成により、CVRのさらなる改善を目指すことが可能です。

また、DLPOはカスタマーサポートが手厚いことも魅力です。ツールを導入した企業には電話・メールでの常時カスタマーサポート対応はもちろんのこと、勉強会の実施や成功事例の共有も行っています。また、別途有料ですが、ABテストの運用代行コンサルティングやツールの設定代行も承ることも可能です。

PTengine

月間3,000PVまでの無料プランがあるABテストツールです。ノーコードでテストパターンを作成できる直感的なエディターで、クリエイティブやウェブ接客などのテストができます。リダイレクトテストにも対応可能です。特定のセグメントにパーソナライズしたテストも実施でき、読み込み速度への影響がないのも魅力となっています。レポート機能も充実しているため、テスト結果を多角的に分析できるでしょう。

SiTest

月間3,000PVまでの無料プランがあるABテストツールです。ヒートマップ解析や録画再生機能なども、ユーザーの行動パターン把握に役立つ機能も充実しています。テストパターンはノーコードで作成可能で、多変量テストにも対応可能です。

【FAQ】ABテストについてのよくある質問

ABテストについての疑問・質問をまとめました。

ABテストの実施期間はどのくらい?

ABテストはすべての曜日でのパターンを見るために2週間ほど実施するのが一般的ですが、平均トラフィックが少ない場合は2週間では必要なデータ量が集まらない可能性もあります。トラフィックを確認したうえで、必要なサンプル数を集めるために適切な期間を設定しましょう。

ABテストの有意差とは?

ABテストの結果で、各パターンのデータに統計学的に意味のある差が生じていることを指す言葉です。詳しくは以下の記事で解説しています。

関連記事:そのABテストの結果は正しい?検定や統計学に基づき正しい判断をする方法

まとめ

今回はABテストについて解説しました。ABテストは、WEBページを複数パターン作成してそれぞれの成果を比較する施策で、マーケティングにおけるリード獲得や売上アップに役立ちます。新たに広告を出稿するよりもリスクを抑えてチャレンジできるため、マーケティングの課題解決のためにぜひ取り入れてみてください。

ただしABテストで成果を出すには、テストパターンを適切に作成したり、統計学の知識を用いて有意差を判断したりするなど、高度なマーケティングの知識が求められます。そのため、はじめてABテストを実施する場合には、ツールを活用すると便利です。「DLPO」をはじめとするABツールを導入して、最短距離でのWEBマーケティングの成果向上に取り組んでみてください。

DLPOの製品資料や料金表などが必要でしたらお気軽にお申し付けください。