コンバージョン率を向上させるためには、具体的にフォームをどのように改善すればよいのでしょうか。ここでは、フォームの入力項目を選定するポイントなど、EFOの具体的な施策について解説します。
大前提として、フォームは項目が少ないほどユーザーのストレスは減ります。そのため、EFOではまず不必要な項目を削ることから始めましょう。項目を見直す際には、以下のような点を意識することが大切です。
マーケティングに不要な情報はないか
現状のフォームに、マーケティングに必要のない項目が含まれていないかをチェックしましょう。EFO対策は、ユーザーのライフサイクルステージに合わせて実施する必要があります。ユーザーのライフサイクルステージは「認識」「検討」「決定」の3段階に分かれ、各ステージによってユーザーの要望やフォームの適切な質問項目を変えることがポイントです。
例えば、メルマガの会員登録を促すフォームの場合、メールアドレスや氏名があれば十分で、住所や電話番号、ふりがななどの項目は不要です。また、BtoBビジネスでホワイトペーパーのダウンロードを促す際、資料を郵送することはないため、会社の郵便番号や住所は必須項目ではありません。本当に必要な情報のみを入力してもらうことで、ユーザーの不安や負担を軽減できれば、フォーム入力に対する抵抗感も減らせます。
任意項目を削れないか
必須項目の他に、任意項目を設置するケースもあるでしょう。せっかく必須項目を少なくしても、任意項目が多い場合は、ユーザーからは「入力が面倒」という印象を持たれてしまいます。本当に必要な情報以外は、任意項目をできるだけ削ってしまうのも一つの戦略です。
フォームにおけるユーザーのストレスの多くは、入力中に発生します。そのため、ユーザーの入力をアシストする機能の実装も検討しましょう。ここでは、16個のアシスト機能を紹介します。
1.半透明の入力例をボックス内に表示しておく
記入前のボックス内に、入力内容や入力形式などの入力例をあらかじめ表示しておくことで、ユーザーは迷うことなく、ストレスを感じずに入力できます。
2.必須項目と任意項目を色分けする
必須項目と任意項目の違いがわかりにくい場合は、ボックス内の色を変えるなど、分かりやすくする工夫をしましょう。必ず入力しなければならない項目を明確化することが重要です。
3.入力ボックスの大きさは文字に合わせる
ユーザーの入力した文字が全て見えるよう、入力ボックスには十分な幅と長さを設けることが大切です。
4.項目によっては選択式にする
選択肢がある程度決まっている項目は、プルダウンで選択式にすると入力の工数が減ります。
5.「ハイフン」は最初から入力しておく
電話番号や郵便番号のハイフンは入力に手間がかかるため、最初から表記しておきます。
6.半角と全角を自動で切り替えられるようにする
数字や英字の半角と全角の指定がある項目には、ユーザーの負担を考え、自動切り替えの補完機能を付けましょう。
7.郵便番号から住所を自動入力できるようにする
入力に手間がかかる住所は、郵便番号に連動させて、自動入力できる補完機能があると便利です。
8.他アカウントからログインできるようにする
GoogleやFacebookなどのIDと連携可能なフォームにすれば、個人情報の入力が簡単になります。
9.メールアドレスのドメイン名を自動表示させる
メールアドレスの「@」以降(ドメイン名)を自動入力できるようにすれば、ユーザーの手間が省けます。
10.エラーメッセージをリアルタイムに表示する
入力完了後にエラー表記が出ると再入力の手間がかかるため、ユーザーは離脱しがちです。エラーメッセージはリアルタイムに表示する方がユーザーのストレスを軽減できます。
11.無関係なページへのリンクは設置しない
トップへ戻るようなリンクがある場合、ユーザーが間違って押す可能性があるため、設置は避けましょう。誤って別のページに移ることで生じるユーザーの離脱を防げます。
12.入力済みの内容が消えないようにする
ユーザーが誤って別のページへ移った際、入力済みの内容が消えないように、自動保存の機能を付けましょう。一度入力した内容を再度入力しなければならないのは、ユーザーにとって大きなストレスになります。
13.入力完了までのステップを可視化する
入力完了までに複数のページをまたぐ場合は、進捗率を上部に表示するとユーザーの不安を減らせます。
14.入力が終わったらボックスの色を変える
入力が完了した項目は、ボックス内の背景色を変えることで、入力の完了率がひと目で分かります。
15.コンバージョンボタンをわかりやすい場所に配置する
送信や申し込み確定のボタン(コンバージョンボタン)はできるだけサイズを大きくし、見えやすい場所に設置するとクリックされやすくなります。
16.離脱防止のポップアップを表示させる
ユーザーが別ページをクリックした際、「本当に移動しますか?」のようなポップアップを出すと、離脱を防ぐ効果が期待できます。
この他にも、スマホの表示を意識したフォームの設定や、完了ページにユーザーにとって有益な情報を表示すれば、ユーザーの信頼度は上がります。例えば、何日以内に連絡するか、連絡がこない場合の問い合わせ先や、今後のフォローなどを記載するのも一案です。
ユーザーは大切な情報を入力するのですから、何のためのフォームなのかを伝えてユーザーの不安を軽減し、入力のメリットやセキュリティの安全性を伝えることも重要です。
企業にとって何が最適なEFOの手法かは、ABテスト(A/Bテスト)のように複数のパターンを比べてみて、成果を適宜検証することが大切です。PDCAサイクルを繰り返すことで、自社に合ったEFOの手法が見つかり、より効果的なフォームに仕上げることができます。
※「ABテスト」については、こちらで詳しく解説しています。