【ABテスト事例】ボタンのテキストとレイアウト次第でCVRは上げられる

検証の詳細

HealthEngineはオーストラリア最大のヘルスケア・オンラインマーケットです。
そこではユーザーは医師、歯科医、カイロプラクターなどのヘルスケアの専門家の受診予約を直接オンライン上で行うことが出来ます。
継続中の研究の一環として、HealthEngineの検証チームは自社のサービスアプリに向けた、有益なボタン検証を社内で行いました。

背景

アプリを通じて予約を行うユーザーの数を増やしたいと考え、検証チームは行動喚起(CTA)ボタンを検証しました。元々のレイアウト(Version B)では小さい“Book(予約)”ボタンが設置されており、その横に複数の時間帯が表示されていました。そのレイアウトでは、ユーザーは予約可能な時間をスクロールして閲覧できることに気が付いていないようでした。

仮説

チームは予約可能な時間をより明確に表示することで、予約コンバージョンが向上すると考えました。

検証の設定

チームは、訪問者に予約を行ってもらうための最良の方法は、彼らに“Book Appointment(予約をする)”ように促す明確なCTAを提供することだと理解しました。訪問者がこのCTAボタンをクリックすると、予約可能な時間帯が表示されるようにしました。

三日間の間に、合計で17,000人の訪問者が次のうちのいずれかのバージョンのアプリを閲覧しました。

  • A

    新レイアウト:青いCTAボタン: “Book Appointment” (予約をする)

  • B

    デフォルト:小さめの青いCTAボタン:“Book”(予約)と予約可能な時間帯を表示

結果

勝者:“Book Appointment”のCTAボタンのあるバージョンAが勝ちました。
効果の薄かった小さめの“Book”ボタンと予約可能な時間帯バージョンと比較すると、“Book Appointment”のCTAボタンは予約数を30%も増加させました。 この結果は99%の信頼性を達成しました。

分析

明確性の高いボタンはコンバージョンを向上させることができますが、そうでないものはユーザーを混乱させてしまうため効果がありません。

行動喚起(CTA)ボタンに関して言えば、ユーザーの行動を促す明確で強力なテキストを使用することがベストな選択です。

動詞―例えば“book(予約する)”、“get(購入する)”、“try(試してみる)”―はもっとも高い効果を発揮する傾向があります。
なぜなら、動詞は読者を積極的に巻き込み、彼らに影響を与えるからです。

さらに「摩擦の少ない」の言葉は、それほどのコミットメントを必要とせずに、訪問者が行動を起こしやすくしてくれるので、ユーザーのコンバートを促す際に効果的です。

“Book Appointment”というフレーズが理想的なのは、それが“book”という動詞から始まっており、ユーザーが必要な行動そのものを明確に伝えているからです。
そしてその後にユーザーは、何を予約するかを摩擦の少ない押しつけがましくない方法で具体的に決定することが出来ました。

ボタンが大きく、明確だという点もまた、コンバージョンに貢献した可能性が高いと言えます。予約のプロセスが始まると、ユーザーは自分のスケジュールにもっとも都合の良い時間帯を選択するので、プロセスが簡単でシンプルになります。

効果の薄かったバージョンBでは、小さな青い“Book”ボタンは簡単に見逃されてしまった可能性があり、インタラクティブ要素のようには見えなかったことも考えられます。
さらにはユーザーがそれ以外の時間帯をスクロールして見られるという情報を明確に伝えられていませんでした。そのCTAは明確性ではなく混乱を生んでしまいました。

まだあなたが納得していないとしても、この検証では、CTAボタンがコンバージョン率を向上させることも低下させることあると示されました。
実際に、ある研究によれば、90%のウェブ訪問者はヘッドラインとCTAボタンしか読んでいないといいます。他の箇所は何も読んでいないのです! したがって、CTAボタンを工夫しましょう。

まとめと応用方法

最終的に高いコンバージョンを生むCTAを作り出す際には、テキストを動詞から始めるようにしましょう。
また、訪問者に優しくクリックを促す「摩擦の少ない」言葉を使い、コンバージョンファネルにおける次の一歩を踏み出しましょう。

この記事は、海外のABテスト事例配信サイト「Guess The Test」に掲載された記事を翻訳したものです。翻訳元:「Guess The Test
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Guess The Testは世界中のABテストの実例を週1回に配信している, CRO(コンバージョンの最適化)やUX戦略を専門とする企業「 Convert Experts」によるサービスです。
ABテストの内容とその結果のみならず、テストに関する仮説と分析が含まれていることは Guess The Testサービスの大きな魅力です。海外のABテスト事例が多めですが、世界中のデジタルマーケターがどのような思想で、 どのようなテストを進めているかをご紹介することで、日本のデジタルマーケターにとって少しでも参考になればと願っております。

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