【ABテスト事例】送料無料のお知らせを表示することは効果がある？

送料無料のオファーを表示することは、本当に違いを生むのでしょうか？

これは、ECサイトのCRO最適化のエージェンシーかつプラットフォームであるOmniConvert社が、彼らのクライアントで個人や心臓専門医向けに心拍数を測定する機器を製造する、AIを活用した革新的な医療メーカーAliveCor社のテストを実施するきっかけとなった質問です。

AliveCor社の心拍数を測定する機器の売り上げを伸ばすため、テストチームはWebサイトのトップページに送料無料の通知を表示する効果について検討しました。

テストチームは送料無料の通知を表示することがユーザーの購入を促し、売り上げの増加につながると考えました。

しかし、送料無料の通知がどの程度ユーザーに影響するかはわからなかったため、その効果を検証することにしたのです。

送料無料の通知の効果を検証するため、OmniConvert所有のプラットフォームにてA/Bテストが設定され、実行されました。テスト期間は21日間です。

この期間、7,000人のユーザーが参加しました。トラフィックは2つのバリエーションに均等に割り振られました。

ユーザーの半分には、トップページの上部に送料無料の通知が表示されます。実際の画面は下記となります。

料無料の通知があるバージョン（Aバージョン）

残りの半分のユーザーには、送料無料の通知がないバージョンが表示されます。実際の画面は下記となります。

送料無料の通知がないバージョン（Bバージョン）

トランザクションとトラフィックのコンバージョンは、それぞれのバージョンで計測されます。

同様に、送料無料の通知がユーザーの購入を促す効果を検証するため、収益と訪問者1人当たりの収益も算出されました。

勝者はバージョン【A】でした。送料無料の表示があるバージョンが大きく勝利したのです。

シンプルに送料無料の通知をトップページの上部に追加することで、全てのファネル内のコンバージョンに良い影響を与えたのです。

送料無料の通知を表示することで、送料無料の通知を表示しないバージョンと比べ、トラフィック当たりのトランザクションが18%も上昇しました。

より多くのユーザーがWebサイト内の深い階層までクリックすることで、より多くの購入が発生したのです。その結果、送料無料の通知を表示したバージョンは、送料無料の通知を表示しなかったバージョンと比べ、収益が28％、訪問者1人当たりの収益が23%増加しました。

この調査結果の信頼度は95%です。

サンプルサイズが十分であり（7,000人の訪問者）、テスト期間も標準であり（3週間）、信頼度が95%であることから、今回の調査が有効である可能性は非常に高いです。

今回の調査は、送料無料の通知を表示することが良い結果を生み、あなたのWebサイトでも試してみる価値が十分にあることを示しています。

なぜ、送料無料の通知を表示するバージョンが勝利したのでしょう？いくつかの理由が考えられます。

1．重要な課題への対応

オンラインでの買い物における最悪な経験の1つとして、気に入った製品を見つけ、購入を決意し、カートに入れたのち、チェックアウトする際に送料が高すぎることに気が付く、ということが挙げられます。

送料は合意を覆す要素となりえます。そして、がっかりしたまま、そのWebサイトを去るのです。こうした経験をした人は、きっと多いことでしょう。実際、この調査によると、ユーザーがカートに入れた商品の購入をあきらめる理由の50%が、送料の高さであるとのことです。

しかし、改善策もあります。それは、Webサイト上で送料を前もって伝えることです。

今回の調査では、ユーザーに送料が無料であることを示すことで、この重要な課題に対応しました。ユーザーは、「この商品の送料はいくらかかるのだろう？」という疑問を持つ必要がありません。送料が無料であることを、すぐに知ることができました。そして、ショッピングファネルの先へ安心して進むことができたのです。

2．購入意欲の喚起

ユーザーがWebサイトに訪問した直後に送料無料の通知が表示されるため、すぐに購入意欲が湧くようになります。ユーザーは、無料で何かを手に入れることができると知らされたのです。無料であることを断る人がいるでしょうか？いるはずがありません。

オンラインでの購入の決定に影響を与える方法を調べた調査によると、送料が無料であることが、オンラインでより多くの購入を決定する最大の理由であるという結果が出ています。また、ユーザーの93％が、送料無料の場合、より多くの購入をする可能性が高いと答えています。

今回のA/Bテストは、送料無料が最高の方法であることを示す、過去の調査をより明確にしました。

しかし、単純に送料を無料にするだけではなく、コンバージョンファネルの早い段階で、ユーザに送料が無料であることを伝えることが重要です。

送料を無料にすることは、ECサイトの売り上げを伸ばす助けとなりえます。

送料が無料であることをはっきりと伝えることで、ユーザーの迷いを減少させ、ショッピングファネルを開始し、完了させる可能性を高めることができるのです。