最終更新日: 2024年11月19日 サイト改善で成功するためのポイントとステップとは?役立つツールや事例も紹介

スマートフォンの普及により誰でもインターネットにアクセスできるようになった現代では、Webサイトによる情報発信と集客の重要性は増しています。集客や売り上げアップのため、顧客との接点がさらに増えていくWebサイトの改善は不可欠といえるでしょう。

Webサイト改善は、以前は科学的な根拠なしに行われていたこともありました。しかし今は、無料のGoogleアナリティクスなどにより簡単に効果測定ができ、着実にCV(コンバージョン)に結びつくサイト改善ができるようになりました。

今回は、まずWebサイト改善の目的やチェックポイントを明確にし、次いでサイト改善の具体的な手順や具体的な事例を紹介していきます。

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サイト改善の目的

ECサイトや会員登録サイトはもちろん、企業を紹介するコーポレートサイトなどを含め、それぞれのWebサイトには明確な目的があります。たとえば

  • 商品やサービスを売る(新規顧客を増やす/リピーターを増やす)
  • 商品やサービスに関心がある人を集める
  • 企業や商品の認知度を上げ、ブランドイメージを高める

などです。

立ち上げたWebサイトが目的とする成果を上げられないときや、運用中のWebサイトへのアクセス数が伸びないときは「サイト改善」が必要です。
また、順調に結果を出しているWebサイトであっても、社会環境や消費者志向の変化に合わせ、常にサイト改善を重ねていく必要があります。

サイト改善の目的は、Webサイトをユーザーのニーズに近づけることですが、数値で表せる目的に落とし込むと以下の通りです。

CV数やCVRを上げる

CVの例として、ECサイトであれば購入、他のサイトではたとえば会員登録、資料請求などの行動が設定されます。CV数やCVR(コンバージョン率)はWebサイトの目的を直接反映する数値といえます。

アクセス数を上げる

Webサイトのアクセス数アップを重視する場合もあります。アクセス数を増やすことで、CV数のアップだけでなく、潜在顧客の掘り起こしや見込み客の獲得、既存顧客のリピート率向上につながります。

検索結果で上位表示されるようにする(SEO)

SEO(Search Engine Optimization)はキーワード検索の結果表示で上位を目指す施策です。検索の結果が上位に表示されるほど目に留まりやすく、アクセスされる可能性が高まるため、Webサイトの集客力に直結する重要な対策です。

サイト改善のチェックポイント

狙い通りの成果を出せるWebサイトにするためにはどのような改善をすべきか、チェックポイントを4つ順に解説します。

チェックポイント① SEO対策

ユーザーが検索エンジンにキーワードを入力して検索することを「自然検索(オーガニック検索)」といいます。検索エンジンは、入力された検索ワードの意図に最も合致するWebページを一定の基準でランク付けし、検索結果として順番に表示させます。
このような検索エンジンの仕組みを理解して、自然検索に対して上位表示を目指す対策がSEOです。

ユーザーが「自ら検索」するのは何らかの情報を探している能動的なアクションです。したがって、バナー広告などよりも、自社商品に関連が深いワードの検索で上位表示される方が、サイトを訪れる確率やCVに至る確率が高いと期待できます。

上位表示されるためには以下が必要とされています。

  • 外部サイトからリンクされているか(外部SEO対策)
  • サイト構造、タグなどが検索エンジンに最適化されているか(内部SEO対策)
  • ユーザーの意図に応えるわかりやすいコンテンツか

SEO対策のチェック項目は多岐にわたります。主要な検索エンジンであるGoogleは、Google検索におけるSEO対策を公開しているので、参考にしてみてください。

チェックポイント② ページの表示速度

見たいページが速やかに表示されることは、ユーザビリティに欠かせない要素です。ページの表示速度が遅いとユーザーの直帰率や離脱率が上がるといわれています。表示速度はGoogleの評価基準にも入っているので、遅いとSEOにもマイナスとなってしまいます。

表示速度を上げるには 、

  • 画像の容量を小さくする
  • ブラウザのキャッシュを有効にする
  • CSSやJavaScriptなどの外部ファイルを圧縮または最小限にする

などの方法があります。

多様なデバイス、ブラウザで表示速度をチェックする必要がありますが、なかでもWeb閲覧者の大半を占めるスマートフォンでの読み込み速度は重視する必要があります。

チェックポイント③ サイト導線

サイト導線とは、サイトを訪れたユーザーがCVに至るまでスムーズに誘導する道 筋です。ユーザーがサイト内で知りたい情報を見つけたり、欲しい商品を購入したりする過程で迷わないこと、スピーディーにたどり着けることが大切です。

以下のような場合には、サイト導線の改善が必要です。

  • サイト運営者が最も見てほしいページと、ユーザーのアクセス数が最も多いページが違う
  • サイトを訪問していくつかのページを閲覧した後に離脱するユーザーが多い
  • ユーザーがよく見ているページ、見ている位置にCTA(Call to Action)ボタンが表示されていない

問題が見つかったサイト導線を改善することにより、CVRを上げられます。

コンテンツの見やすさと内容の充実度

ユーザーがページを閲覧したときに「見やすい」「よくわかる」「共感できる」ことが大事です。「説明がわかりにくい」「期待した情報が得られない」と感じたユーザーはすぐに直帰や離脱してしまいます。

充実したWebコンテンツの要件として、たとえば以下が挙げられます。

  • 画像や表、グラフなどで内容をわかりやすく説明している
  • テキストに誤字脱字がなく、わかりやすい文章で説明されている
  • どんなブラウザ、デバイスでもレイアウトが崩れない
  • 商品の魅力を明確に伝えている
  • 長すぎる文章や不要な情報を載せていない
  • ユーザー視点に立って情報を伝えている

これらの点をチェックして、常にサイト改善を図っていく必要があります。

サイト改善の3ステップ

サイト改善は、「サイト分析により現状の課題を見つけ出す」「解決のための施策を実施する」「効果を検証する」という3ステップで進めていきます。

サイト分析で現状を把握する

Webサイトを訪れるユーザーがどのような行動をとっているかを知るためには、アクセス解析ツールが有効です。アクセス解析ツールは、無料で使用できるGoogleアナリティクスの活用が一般的です。
以下のような指標により、サイトのアクセス状況を把握します。

閲覧数

Webサイトの各ページのなかでよく見られているページ、人気のないページがわかります。

滞在時間

Webサイトにユーザーが滞在する時間は1.5~2分が目安です 。それよりもあまりに短い場合、ユーザーに情報を伝えられていないと考えられます。

直帰率

直帰率とは、最初に見たページから他のページへ移動することなく離脱したユーザーの割合です。ランディングページがユーザーの期待と違う内容だった場合などに直帰率が上がります。

離脱率

あるページを最後に見て離脱したユーザーの割合を指します。「購入画面の直前」のような重要なページで離脱率が高ければ改善すべきです。

流入経路

ユーザーが何を経由してWebサイトを訪れたかの指標です。経路には

  • 自然検索(オーガニック検索)
  • Web広告
  • SNS
  • 他のWebサイト

などがあります。

流入キーワード

ユーザーがどのような検索キーワードでWebサイトを訪れたのかがわかる指標です。ユーザーのリアルなニーズを把握することができます。

コンバージョン率

「購入」「資料請求」など、Webサイトが目的としているユーザー行動に至ることがコンバージョン、その割合がコンバージョン率です。

ユーザー属性

ユーザーの年代、性別、職業、新規ユーザーか既存顧客なのかなどを確認します。商品のターゲットとして設定しているユーザー層に訴求できているかがわかります。

使用デバイス

パソコン、スマートフォン、タブレットのうちユーザーが何のデバイスでサイトを閲覧しているかがわかります。

アクセスタイミング

平日か休日か、昼間か夜間かなど、ユーザーがサイトを訪れるタイミングがわかります。

これらの数値から、Webサイトのどこに問題があるのか、WebサイトのCVにつなげるための構造は適切か、商品やサービスを売り込みたいユーザー層がWebページを訪れているのかなどがわかり、サイト改善の課題が明確になります。

課題解決のための施策を決めて実施する

各種指標によりWebサイトの課題を明らかにしていきます。たとえば以下のように、課題に対する施策を設定します。

アクセス数を増やすため、コンテンツの充実や広告、SEOで改善

Webサイトのアクセス数が十分ではないときは、コンテンツを見直してSEO対策をしたり、有料の広告を配信したりします。広告はアクセスしているユーザーの属性やタイミング、デバイスなどに合わせてしぼり込みます。

ユーザーの意図に応えられるよう、コンテンツを改善

直帰率が高いページは、ユーザーの意図に応えるコンテンツを提供できていないと考えられます。ランディングページのキャッチコピーやビジュアル、商品説明の変更などで対応しましょう。表示速度を上げることも有効です。

CVRを上げるよう、CTAの位置やサイト導線を改善

購入直前のページ離脱率が高くCVやCVRが伸びない場合は、商品紹介ページから購入完了までの導線をシンプルでわかりやすくする必要があります。多くのユーザーが見るページには適切に、「会員登録はこちら」「すぐに購入する」といったCTAボタンを設置する施策が必要です。

改善のための施策は1つずつ試すことが重要です。複数の施策を同時に行うと、どの施策が有効だったのかを計測できなくなるからです。検証に基づき着実にサイトを改善するには、現状と改善案とを同時に運用して測定するABテストが有効です。

参考:【ABテストとは?】ABテストのメリットと効果的な実施方法まとめ

効果を検証する

サイト改善の施策を実行して一定期間を経過した後は、施策の効果測定を行います。課題解決に近づいたかどうかは、施策前と施策後におけるアクセス解析の数値の変化でわかります。

期待通りの結果が出なかった場合は、その要因を分析し、改めて課題設定と施策を立て直し、PDCAを回します。検証を積み重ねることで着実にサイトを改善していくことができます。

「サイト分析→課題解決のための施策実施→効果検証」という3ステップを繰り返して、常にサイト改善を図ることが重要なのです。

サイト改善に役立つツール

サイト改善に役立つツールについて解説します。

サイト分析に役立つツール

サイト分析に役立つツールとして以下があります。

アクセス解析ツール

サイト分析の項目で述べたように、ユーザーのアクセス状況を計測できるGoogleアナリティクスがおすすめです。無料で使用できるのでまず導入すべきツールといえます。

ヒートマップツール

ヒートマップツールは、Webページのなかでユーザーがどの部分を長く見ているか、関心を寄せているかを可視化するツールです。ヒートマップにより、Webサイト運営者が注目してほしい部分とユーザーが見ている部分との隔たりが明確になります。無料で使用できるMicrosoftのClarity(クラリティ)が代表例です。

ユーザビリティテストツール

ユーザビリティとは、ユーザーにとってWebサイトが問題なく快適に使えているかの指標です。ユーザビリティテストは実際のユーザーにインタビューする形式で実施されることもありますが、オンラインで簡易なテストが行えるツールもあります。また、Google Search Consoleには「モバイルフレンドリーテスト」という、モバイルでのユーザビリティを無料で測定できる機能があります 。

サイト改善施策の効果検証に役立つツール

ABテストツール

科学的に検証しながらサイト改善を進めるために有効な方法がABテストです。ABテストとは、サイト改善のパターンAとBをWebサイト上に用意して、どちらがよい成果を出すかを測定する方法です。無料でABテストが行えるツールとしてGoogleオプティマイズがあります。

有料のABテストツール「DLPO」は多変量テストやパーソナライズなど多機能を備えていることに加えて、サイト改善の設計全体について専門家のサポートを受けられることがメリットです 。

サイト改善の事例

サイト改善の成功事例をDLPO導入企業からピックアップしてご紹介します。

ボタン、メインビジュアルなどの多変量解析でCVRを119%改善

auフィナンシャルサービスの事例

auフィナンシャルグループの中核企業である同社は、クレジットカード「au PAYカード」を提供しています。Webサイトからの顧客獲得を強化するためランディングページのサイト改善に取り組み、「コンバージョンボタンの色や形」「ボタンに表示させるテキスト」「メインビジュアル」などについてABテストを重ねていきました。多変量テストでは「コンテンツの表示順」「利用できる店舗」などを組み合わせて効果を検証。ABテストを重ねることで、サイト改善を成功させました。
事例の詳細はこちら

ユーザーテストを手がかりに、CV154%の改善を達成

ワタベウェディングの事例

リゾートウェディングを「リゾ婚」として広めたワタベウェディングは、Webサイトからの集客に力を入れています。同社ではWebサイト改善アイデアを検証するためにまずユーザーテストを実施しました。そこで挙式したい国や地域についての入力フォームは現行の「第一希望、第二希望」という表示が入力しづらいという意見を受け取り、「希望エリア」というシンプルな表現と比較するABテストを実施。改善案のCVRは従来比154%となりました。また、チャペルを選ぶフォームに「チャペルを紹介してもらう」という選択肢を表示させる改善では、来店フォームへの誘導が220%となりました。
事例の詳細はこちら

購入を決めるページに「60回払いまで手数料無料」と表示したら、CVと購買単価がアップ

キタムラの事例

全国で「カメラのキタムラ」を展開するキタムラは、ECサイトが実店舗を補完する形でWebサイトを運営。ネットショップで購入を決めたカメラを店舗で受け取る、ネットで購入したカメラの修理を店舗で依頼する、といった利用が浸透しています。Webサイトの改善にはABテストを活用しています。たとえば、高額のカメラ購入で利用可能な「金利手数料が60回払いまで無料」というショッピングクレジットの情報を「カートに入れる」段階だけでなく、その次の「カートを見る」ときに表示させたところCVがアップしました。月々の支払額が小さくなった結果、関連商品の購入も増え、CVと平均購買単価がともに上昇しました。
事例の詳細はこちら

そのほかの導入事例を以下で紹介しているので参考にしてください。
DLPO ユーザーインタビュー

まとめ

ユーザーがインターネットから情報を得る機会が増えた現代において、Webサイト改善は重要なマーケティング施策です。Webサイト改善のチェックポイントは以下です。

  1. SEO
  2. ページの表示速度
  3. サイト導線
  4. コンテンツの見やすさと内容の充実度

Webサイト改善は「サイト分析→課題解決のための施策実施→効果検証」という3ステップを繰り返します。効率よくWebサイトを改善にはABテストツールが有効です。