【CXL独自調査】ユーザーは短めの記事をどのように読んでいるのか

ウェブ上で短い記事やブログ投稿が読まれるとき、コンテンツの何パーセントが実際に”読まれている”のでしょうか。
画像のキャプションまで読んでいる人はどれくらいいて、最後まで記事を読む人はどれくらいいるのでしょうか。

素晴らしい講演の数々―24人の話者が三日間をかけて絶景のリゾートで講演を行いました。新旧入り混じった400人の参加者に加えて、たくさんの会話、ライブミュージック、そして多くのビールが飛び交いました。CXL Liveはある種の経験です。
そこでは成長の秘密をすべて明らかにする、私たちのオープニングムービーも上映されました。(英語)

バックグラウンド

David Ogilvyは、その著書『Confessions of an Advertising Man』の中で、「ヘッドラインを読む人の5分の1しか本文を読まない」としています。これは今でも本当なのでしょうか。

2008年のある研究によれば、ユーザーは英語で111単語以下のページについて、情報を半分程度しか読んでいないということが判明したとされています。

そこで私たちの調査では、より具体的な疑問に回答することを目的としました。

  • 短い記事はどのように読まれているのか
  • 記事は全体に対してどれくらい読まれているのか
  • 画像のキャプションなどは読んでいるのか
  • 年配のユーザーは、若い世代のユーザーと同じように記事を読むのか

研究レポート

この実験では、宇宙飛行士の訓練に関する短い記事が用いられました。

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記事は短く、およそ英単語300words程度の長さであり、タイトルとメインの画像、サイドのバナー広告、様々なフォントサイズといった要素が含まれています。
また、記事の内容としてはそれほど厚みのあるものではありませんが、段落は3つに分かれています。この記事を用いて、実験参加者がどれくらい記事を読むのか、また、能動的にスクロールをしなければいけない場合に記事の閲覧率は下がるのかどうかをチェックすることとしました。

データ収集方法と実施

この記事は、異なる2つのグループに提示されました。片方は18〜30歳の参加者で、もう片方は50〜60歳の参加者から構成されたグループとなっており、全ての参加者には次のような状況が与えられました。

「あなたは、宇宙飛行士の訓練についての読み物に興味があります。この内容に関する以下の記事を読んでください」

それから参加者には、記事を読む時間として30秒が与えられました。

参加者

利用可能な視線追跡データは、グループ1(若者のグループ)について62人の参加者のものが得られ、グループ2(年配者のグループ)については33人の参加者のものが得られました。

注意:このサンプルサイズは、通常私たちが必要と考えるだけの規模よりも小さくなっています。しかし、この人数を確保することにさえおよそ3週間を要しました。これは、私たちが用いたパネルはこの年齢グループについて多くの参加者を有していなかったためです。

結果

それぞれのグループの振る舞いは非常に類似したものとなっていました。

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参加者が何を見ていたかを知るため、またどれだけそれに注目していたかを調査するため、私たちは”興味エリア(AOI)”を記事ページ上に作成しました。※AOI=Area Of Interest

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このAOIを用いることで、以下の内容を定量化することに成功しました。

97%の人がタイトルを読んでいる

ほとんど全ての人がタイトルを読んでいました(逆に言えば、タイトルを読まない人もいました)。これ(7単語のタイトル)に要された時間は、平均して2.9秒です。

サブタイトルは98%の人が読んでいましたが、21単語に対して平均して2.8秒しか注目されていませんでした。つまり、読んでいるというよりもただ見ているだけに近いと考えられます。

【ページのどの要素が最も読まれているか】

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【記事の内容のどれくらいが読まれていたか】

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それぞれのコンテンツブロックにどれだけの時間が費やされていたかに着目し、文字数と比較してみたところ、文字を読んでいるというよりもざっと流し読みしているようであるということが分かりました。

【画像のキャプションを読んでいる割合】

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【広告に注意を向けている人の割合】

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今回の実験の問題点

今回の実験では、実験の対象となっていることを知っている状態で記事を読んでもらったため、通常通りの自然な振る舞いではなかった可能性はあります。
通常よりも記事をざっと浚うように読んだかもしれませんし、あるいは逆に、その後記事の内容について質問されることを予期して記事を精読しようとしたかもしれません。

また、参加者によっては、記事全体を読むために充分な時間が与えられていなかったという場合もあるかもしれません。
用いられた試験プラットフォームでは、写真を表示できる最大時間が30秒であった(今回は記事をその写真として表示した)ため、全体を読むのには時間足りなかったという参加者もいたはずです。

結論

ひとまず今回の実験から分かったのは、 人は文字を読まないということで、以下のようにまとめることができます。
  • 97%はタイトルを読む
  • 98はサブタイトルに注目するが、読むというよりも見ているに近い
  • 60%は記事を読み終わったが、それぞれのコンテンツに対する消費時間を見ると、全てを読んでいたというよりも流し読みしていたと言える
  • 91%は画像のキャプションを読んだ
  • バナー広告への注目は1.5秒以下だった
この記事は、CXLのブログに掲載された「How People Read Short Articles [Original Research]」を翻訳したものです。
  • ライター紹介
    ConversionXL

CXLは米国Austinを拠点とするLPOのコンサルティング会社。
また、CXLは「CXL Institute」というLPOやWEB解析に特化した、マーケター向けの教育プログラムの運営も行っています。
欧米のデジタルマーケティング業界ではCXLの創設者Peep Lajaの知名度は非常に高く、Peep Lajaは最も影響力の高いLPOスペシャリストとまで言われています。
CXLのブログは定期的にLPO関連の非常に参考となるブログ記事を配信しています。

https://conversionxl.com/

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