自身のサイトで使用する画像が訪問客に対し、質感、サイズ、スケール、詳細、コンテキスト、ブランドなどを伝えられるかどうか、といったことはよく語られます。しかし、それと同じように「その画像を保持しているかどうか」が語られることはありません。 MDG広告社によれば、オンラインの買い物客の67%が、購入の意思決定の際、高品質な画像を「非常に重要」としているとのことです。「商品の具体的な情報」、「長文の説明」、「レビューと評価」などを、僅かに上回る数字です。
購入の意思決定の際に重要なこと 「高品質な画像」・・・67% 「商品の具体的な情報」・・・63% 「長文の説明」・・・54% 「レビューと評価」・・・53% 商品をオンラインで販売する際、高品質な画像がその助けとなることは、特に秘密事項ではありません。しかし、どの程度重要であるのか、それをブランドは見落としがちです。 簡潔に言うと、良い画像はECサイトにおける体験の中で非常に重要であると、消費者は考えています。 実際に67%の消費者が、商品の選択と購入の際、商品画像の品質は「非常に重要」と評価しているのです。 画像には価値があるという単純なことではなく、画像はその他のコンテンツ以上に価値がある場合があります。 多くの消費者が、商品画像の品質に大きな価値を感じているのです。 UCLAのジョアン・ペック氏とスーザン・B・シュー氏が発表した「単純な接触が所有権の認識に与える影響」という調査では、色鮮やかで詳細な画像は、商品の所有権の認識を増加させるということが発見されています。 さらに、ティルバーグ大学の心理学者であるキーステン・ルイズ氏とディエドリック・ステープル氏による行動経済学の調査では、人々はそれに気づいていない時も含め、画像は人々のムードに影響を与えるとされています。 彼らの調査では、被験者に対し、画像を次々にスクリーンに表示させました。それは、自分が具体的に何を見ているのか、被験者が完全には認識できない形で行われました。その後、被験者は認知、感情、行動をテストされました。 実験の結果、被験者の一般的なムードは無意識に見せられた画像に影響されることを、調査員は発見しています。もちろん、予算の問題はあるでしょう。それでも、「自由」や「幸福」や「会社のシナジー」を表現する画像は必要なものです。 あなたはクライアントへ、カスタムフォトを使用すべき、と外交的に説明します。しかし彼らは「より良く、より安い、オンラインにある写真」を探すよう求めます。もしあなたがそれに強く反論すると、クライアントから「顧客はいつでも正しい。私は別のメンバーと仕事をしてもいいのだ」という感情を持たれてしまうかもしれません。 それゆえあなたは、iStockphoto や Shutterstockに行き、検索し、与えられたコンセプトがどれほど漠然としていても、それを表現する最適な画像を探します。 お金を払い、ストックフォトをダウンロードし、あなたのデザインの代用とさせ、恥とプライドがまぜこぜになった感覚でその作品を見るでしょう。しかし、クライアントはそれを気に入ってしまいます!(「見てごらん。ストックフォトだって悪いものじゃないだろう」と。) もちろん、問題はあります。
あらゆるバーティカルなWebサイトが、全く、同じ、写真を使用しているのです・・・。さらに不幸なことに、あなたの競合サイトが全く同じ写真を使用していることもあります。1996年、ジェニファー・アンダーソンさんは大学を卒業後すぐに、とあるストックフォト用に写真を撮りました。当時、多くの企業は定期購入のサービスを利用しており、ストックフォトをCD-ROMで受け取っていました。 しかし、企業が受け取ったCD-ROMには、他に誰がその写真を使用しているか、それを簡単に確認する方法がないという問題がありました。そして、画像のライセンスは排他的ではなかったため、誰もがその写真を使用できました。 数年内のうち、アンダーソンさんは大学のあらゆるマーケティングキャンペーンの「顔」となりました。競合同士であるDell社とGateway社が「Back to School」キャンペーンのプロモーション素材に全く同じ写真を使用した2004年の例は、最悪とも言えるケースでした。
話はこれで済むのでしょうか?いいえ。アンダーソンさんのストックフォトは、以下に並べる、他の企業にも使われていたのです。 • H&R Block • Samsung • Microsoft • Grayhound • U.S. Bank • AAA Auto Insurance • A series of books about Christianity • A teen chat line • A car stereo store • An actuary website アンダーソンさんの画像はオンラインで非常に有名になり、Webでの彼女の目撃例を紹介するコミュニティまで誕生したほどです。 下記に、その例を挙げますが、これは全体のごくごく一部です。アンダーソンさんの例は面白おかしいものですが、同様のコンセプトを表現するために同一の写真を使用するブランドに対し、否定的な意味合いも含んでいます。
まず挙げられる大きな問題は、写真優越効果と呼ばれるものです。写真優越効果とは、「言葉よりも画像で表現されたほうが、コンセプトは体験的によく記憶される」ことを意味します。 この考えは、アラン・パイボ氏の「デュアルコーディング理論」と親和性があります。「デュアルコーディング理論」とは、「映像と言葉(テキスト)の両方で表示された場合、心理的なつながりは強くなる」とする理論です。映像による情報と言葉による情報は別々に処理されます。心理的に異なるチャネル内で、各チャネルで処理される情報のための別々の表現を作り出します。 これらの表現に一致する心理状況は、行動し、格納され、次回の使用時に引き出される情報を組織するために用いられます。この理論は、ポジティブな体験にもネガティブな体験にもあてはまります。2019年、米国のオンライン詐欺の被害額は350万ドルであるという報告がありますが、多くの詐欺サイトは安価なストックフォトを大量に使用しています。もし、あなたのWebサイトも安価なストックフォトを使用していれば、詐欺サイトが使用している画像と同じ画像を使用してしまっているかもしれません。 ユーザーがあなたのWebサイトを初めて訪問した際、彼らが見る全ては、彼らの作業記憶を通じて処理されます。作業記憶とは、視覚したものをミリ秒単位で判断するための、長期的記憶から引き出された短期的な記憶です。 作業記憶 数秒間の活動(青) 一時的な保存(緑) 情報の操作(黄色) 注目への注力(紫) ユーザーにネガティブな体験を与えてしまう他のWebサイトと酷似したストックフォトがあなたのWebサイトでも使用されている場合、そのユーザーは自身のネガティブな体験をあなたのWebサイト上の写真に無意識に投影してしまい、あなたのWebサイトへの信頼を失い、心理的な不和を起こしてしまうかもしれません。 これは、Marketing Experimentsが「高いパフォーマンスを出すストックフォト」対「クライアントのリアルフォト」のテストを行った際、リアルフォトを表示されたユーザーのほうが35%もサインアップした、ということの理由となりえます。 極端に言えば、適切でないストックフォトを使用すれば、「特定の誤認」を起こすかもしれないのです。 ストックフォトに特化した内容ではありませんが、Arizona Discount Moversのこの記事の例(こちら)は、善良な人が悪者の行いに対してペナルティを課せられたときに何が起こるかを完全に示しています。
・・・ストックフォトを使用しているデザイナーにとっては。
ストックフォトはあなたが伝えたい要点を簡単に、効果的に伝える方法となりえます。しかし、ストックフォトの使用を決断する際、いくつかのステップを踏むべきです。この記事を調査している際、とあるデザイナーについての逸話に出会いました。そのデザイナーはボールに入ったストロベリーの完璧な写真を探すために15時間を費やしていました。しかし彼は、スマートフォンで素晴らしい写真が撮れ、グロッサリーストアが道のすぐ向かいにあることを思い出したのです。 ここ数世代のスマートフォンが、画像の品質という点で格段に向上しているのは言うまでもないことです。
上記のFreeImages.comからの画像と、下記のとあるiPhoneユーザーの庭の写真を見比べてみましょう。 そして下記の私のマウスの写真は、自宅のキッチンで、照明の環境も悪く、平凡なスマートフォンで撮影したものです。しかし、ほんの少し計画を練れば、Amazonで使用されている画像と遜色ない写真を撮ることができます。 誤解しないでいただきたいのですが、可能であれば、プロの写真家を雇うべきです。しかし、自分自身で写真を撮らない理由を、「装備が足りない」とすべきではありません。 これは、商品画像のみに当てはまるというわけではありません。あなたの会社のスタッフ(もしくは最低限、エグゼクティブチーム)の写真を掲載していないのであれば、あなたは一体何を待っているのでしょうか? 下記はUnbounceのカスタマーサービスセクションのページです。(今は別の写真となっています) 簡単に言うと、人々は、実際に存在しているように見える誰かに注意を払うのです。 ジェイコブ・ニールセン氏によるアイトラッキングの調査では、実際の人の写真は重要なビジュアルコンテンツとして扱われ、注意深く見られるということが明らかになっています。 反対に、ストックフォトや明らかな「まにあわせのコンテンツ」は、無視されてしまいます。 あなたの上司やクライアントが、反「実在する人々をWebサイトに使用する」派(実際にそういう人はいるのです)であるならば、ストックフォトとリアルフォトのテストをするため、Harringtion Mobersが月間$10,000を投資したストーリー(こちら)を伝えてください。ストックフォトをどうしても使用せざるを得ない場合は、過度の使用を避け、独自のものにできる努力をしましょう。写真加工の基本的な技術も、レベルの高い技術も、ストックフォトを完全にユニークな一枚にすることに応用でき、多くの時間を必要としません。 また、あなただけの写真を撮ることに、過度な心配をしないでください。スマートフォンや他の高価でないカメラにも、驚くべき機能が詰まっています。 ちょっとした計画と、照明や比率の基本的な知識があれば、あなたのブランドをより良く表現する、ユニークで高品質な写真を撮ることができるのです。あなたにも。
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