サイト改善は、「サイト分析により現状の課題を見つけ出す」「解決のための施策を実施する」「効果を検証する」という3ステップで進めていきます。
Webサイトを訪れるユーザーがどのような行動をとっているかを知るためには、アクセス解析ツールが有効です。アクセス解析ツールは、無料で使用できるGoogleアナリティクスの活用が一般的です。
以下のような指標により、サイトのアクセス状況を把握します。
閲覧数
Webサイトの各ページのなかでよく見られているページ、人気のないページがわかります。
滞在時間
Webサイトにユーザーが滞在する時間は1.5~2分が目安です 。それよりもあまりに短い場合、ユーザーに情報を伝えられていないと考えられます。
直帰率
直帰率とは、最初に見たページから他のページへ移動することなく離脱したユーザーの割合です。ランディングページがユーザーの期待と違う内容だった場合などに直帰率が上がります。
離脱率
あるページを最後に見て離脱したユーザーの割合を指します。「購入画面の直前」のような重要なページで離脱率が高ければ改善すべきです。
流入経路
ユーザーが何を経由してWebサイトを訪れたかの指標です。経路には
- 自然検索(オーガニック検索)
- Web広告
- SNS
- 他のWebサイト
などがあります。
流入キーワード
ユーザーがどのような検索キーワードでWebサイトを訪れたのかがわかる指標です。ユーザーのリアルなニーズを把握することができます。
コンバージョン率
「購入」「資料請求」など、Webサイトが目的としているユーザー行動に至ることがコンバージョン、その割合がコンバージョン率です。
ユーザー属性
ユーザーの年代、性別、職業、新規ユーザーか既存顧客なのかなどを確認します。商品のターゲットとして設定しているユーザー層に訴求できているかがわかります。
使用デバイス
パソコン、スマートフォン、タブレットのうちユーザーが何のデバイスでサイトを閲覧しているかがわかります。
アクセスタイミング
平日か休日か、昼間か夜間かなど、ユーザーがサイトを訪れるタイミングがわかります。
これらの数値から、Webサイトのどこに問題があるのか、WebサイトのCVにつなげるための構造は適切か、商品やサービスを売り込みたいユーザー層がWebページを訪れているのかなどがわかり、サイト改善の課題が明確になります。
各種指標によりWebサイトの課題を明らかにしていきます。たとえば以下のように、課題に対する施策を設定します。
アクセス数を増やすため、コンテンツの充実や広告、SEOで改善
Webサイトのアクセス数が十分ではないときは、コンテンツを見直してSEO対策をしたり、有料の広告を配信したりします。広告はアクセスしているユーザーの属性やタイミング、デバイスなどに合わせてしぼり込みます。
ユーザーの意図に応えられるよう、コンテンツを改善
直帰率が高いページは、ユーザーの意図に応えるコンテンツを提供できていないと考えられます。ランディングページのキャッチコピーやビジュアル、商品説明の変更などで対応しましょう。表示速度を上げることも有効です。
CVRを上げるよう、CTAの位置やサイト導線を改善
購入直前のページ離脱率が高くCVやCVRが伸びない場合は、商品紹介ページから購入完了までの導線をシンプルでわかりやすくする必要があります。多くのユーザーが見るページには適切に、「会員登録はこちら」「すぐに購入する」といったCTAボタンを設置する施策が必要です。
改善のための施策は1つずつ試すことが重要です。複数の施策を同時に行うと、どの施策が有効だったのかを計測できなくなるからです。検証に基づき着実にサイトを改善するには、現状と改善案とを同時に運用して測定するABテストが有効です。
参考:【ABテストとは?】ABテストのメリットと効果的な実施方法まとめ
サイト改善の施策を実行して一定期間を経過した後は、施策の効果測定を行います。課題解決に近づいたかどうかは、施策前と施策後におけるアクセス解析の数値の変化でわかります。
期待通りの結果が出なかった場合は、その要因を分析し、改めて課題設定と施策を立て直し、PDCAを回します。検証を積み重ねることで着実にサイトを改善していくことができます。
「サイト分析→課題解決のための施策実施→効果検証」という3ステップを繰り返して、常にサイト改善を図ることが重要なのです。