【ABテスト事例】オーディエンスへの説明の工夫でCVRは上がる?

CASE STUDY: そのまま直訳 vs 日本のオーディエンス向けに工夫した翻訳

  • A:そのまま直訳

  • B:日本のオーディエンス向けに工夫した翻訳

概要

アメリカ発のAutodesk(エンジニア・アーキテクチャソフトウェアの販売会社)がサイトの日本語版についてサイトの内容をより日本人向けにすることでソフトウェアの売り上げが向上するかどうかをテストしました。
仮説では、より日本人向けの内容とすることで提案内容の理解が深まり、販売に繋がるものとされていました。

Autodeskの英語版サイトのテキストを日本語に変更しただけのもの(バージョンA)と、日本人を対象とすることを考えて微調整を行ったバージョン(バージョンB)の比較を行いました。
ソフトウェアのサブスクリプションの詳細を説明する箇所にはピクトグラムも追加しました。閲覧者は半分に分けられ、バージョンAかバージョンBのいずれかを閲覧。
全体の訪問者は2000人、テストは1ヶ月にわたって行われました。

結果

バージョンBが大差をつけて優位性を示しました。直接的に翻訳しただけのバージョンAと比べて、CVR(コンバージョン率)は123%(信頼区間:95%)も改善されていて、ソフトウェアのサブスクリプションにも以下のような影響を与えました。

・平均売上高(AOV):改善率: 5.9%
・訪問あたりの売り上げ(RPV):改善率: 136.5%
・売り上げ:改善率: 138.3%

コメント・学んだこと

1. ターゲット市場に合わせた微調整は重要である。
2. マクロに考え、ミクロに行動せよ。

本テストでは、コンテンツと対象の市場に親和性を生み出すことがコンバージョンにとって重要であることが示されました。
商品と自分自身に親和性を見出すオーディエンスはより顧客となりうる可能性が高いことについては、心理学的にも同様の現象が確認できます。

オーディエンスが対象に対して親和性を見出すと、メッセージに対して好印象を抱きやすくなり、購入意欲が向上します。また、その商品を友人や家族に勧めようという意欲もわき上がるようにもなります。

今回の場合、バージョンBのウェブサイトでのコンテンツの提供の形式が、オーディエンスのニーズや好み、考え方、期待といったものに沿った形であったため、より顧客の希求力に響き、売り上げの増加に繋がりました。今回の結果から、広告のみならずウェブサイトの作成についても、対象としているオーディエンスのカルチャーを意識して作成することが重要であるということが言えます。

今回のテストでは、テキストと画像の両方に変更を加えてしまっているため、次回のテストではそれぞれについて個別に変更を加えたり追加したりすることで、コンバージョン率の最適化に適した組み合わせを究明することが望ましいでしょう。

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