コンバージョンの最適化に活用できる、18の認知バイアス

この記事は、CXLのブログに掲載された記事を翻訳したものです。翻訳元:「18 Cognitive Biases You Can Use for Conversion Optimization

完全に合理的な人を、合理的な決定や合理的な行動に導くことは難しいことではないでしょう。しかし不幸にも、あなたは非合理的な考えに支配され、認知バイアスと感情に満たされてしまうのです。

では、人々が過度に主観的(そして、文脈的)な要素に影響されている場合、どのようにすれば、彼らを効果的に説得できるのでしょうか?

これは、決定的な答えのない、複雑な質問です。幸運にも、あなたのオーディエンスに対する回答の第一歩となるのが、そうした主観的(そして、文脈的)な要素に気づくことなのです。

認知バイアスとは?

認知バイアスとは、ある一定の方法でものごとを考える傾向であり、しばしば、合理的で論理的な判断から逸脱する結果となります。心理学や行動経済学の領域で研究されますが、生活のあらゆる場面に潜んでいます。

認知バイアスは、我々の購入、販売、友人との関わり、考え、感情などに影響します。

特定の場面において、友達や家族に準じる形であなたが感じるべきよりも強く罪悪感を覚えるのならば、それは自己中心性バイアスと呼ばれるものです。ちょうどフリーランスとしてのキャリアを開始し始め、「インポスター症候群」を感じているのであれば、それは平均以下効果と呼ばれるものです。

認知バイアスの存在と我々の生活における影響を意識しないことはよくあります。

なぜ、認知バイアスを気にする必要があるの?

認知バイアスは、訪問者があなたのWebサイトと会社について考え、感じることに影響します。彼らがリードへとコンバージョンすることに影響するのです。また、あなたの製品やサービスについて共有したり話したりすることにも影響します。

もちろん、認知バイアスは、あなた自身にも影響します。合理的なテスト、テスト結果の分析、ノイズのないサンプリングなどを行うあなたの能力にも影響するのです。

賛成できないでしょうか?それは、バイアスの盲点です。バイアスの盲点とは、あなた自身は他の人よりもバイアスが少ないと考えることです。

認知バイアスに気を配れば、その存在を考慮に入れ、訪問者、そしてあなた自身への影響を制限することができます。

あなたのマーケティングに影響する18の認知バイアス

Wikipediaには認知バイアスの完ぺきなリストが載っています。それらのいくつかは、他と比べ、よりCROに直接影響します。Wikipediaのリストの全てを読む時間を取ることは無駄にならないはずです。まずは、いくつかの一般的な認知バイアスから見ていきましょう。


1.アンカリング


判断を下すさい、「アンカー」、つまり、一つの特徴や情報の一片に過度に依存してしまう傾向のことです(通常、その主体に接触して初めて得る情報の一片)。

と、タリア・ウォルフは説明します。
私達が下す判断は、情報が提示される方法によって支配されることが多々あります。$40というプランは、それ自体で多くのことを意味するようですが、アンカーを使用することで、見込み顧客のための見通しを立てることができるのです。

その影響と活用法の例を挙げてみましょう。
  • • 初めに出会ったものが、コンバージョンを増加させたボタンの色を変更するABテスト(これがアンカーとなります)である場合、劇的な再デザインや再度のABテストを行う可能性が低くなります。

  • • 訪問者が月額$49の競合他社の製品(これがアンカーとなります)に初めに出会った場合、月額$69のあなたの製品を受け入れなくなります。
  • o こちらを、あなたの製品への価格に応用しましょう(例:「通常$60のところ、今は$45です」)

  • • 口コミにせよ、過去の体験にせよ、訪問者があなたのブランドにネガティブな印象(これがアンカーとなります)を持っている場合、今後もあなたの製品を購入する機会は少なくなります。

    2.注意バイアス


    我々の知覚が、繰り返し起こる考えによって、影響を受ける傾向です。

    バート・シュルツは詳細をこのように述べています。
    注意バイアスは、判断を下すさい、感情的に支配された刺激に対してより注意を払い、関連する他のデータをないがしろにする傾向です。そのため、我々の感情に触れるものに対し、我々はそれに対しより一層の注意を払います。

    例えば、蜘蛛に対し、不安を覚えるとしましょう(そう、あなたは蜘蛛恐怖症なのです)。そして、私はあなたに「ストループ・テスト」を行うことを依頼します。このテストで、私はあなたに、異なる色(例:赤、緑、黄色、青)で印刷された言葉の列を提示します。そして、あなたはその色に名前をつけるのです(その言葉を発音するのではなく)。

    不安を感じる患者を対象としたストループ・テストでは、一貫した結果が得られます。恐怖を意味する言葉(蜘蛛、クモムシ、スピナー、タランチュラなど)への命名は、自然な言葉よりも遅く、不安を感じない患者よりも遅いのです。これは、感情的に支配された刺激に対し、注意を払わないことが難しいからです。

    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • 親密さは長い間続きます。ある人が、あなたの名前、ロゴ、コールトゥアクションを頻繁に見れば見るほど、その人はあなたから何かを購入する可能性が高くなります。

    • • コールトゥアクションをランディングページ全体に設置し、訪問者に対して広告をリターゲティングし、定期的にTwitterやFacebookに投稿し、継続的に(ゲスト)ブログをアップする、など。

    • • このことが、実験者としての判断へ、どのように影響するかについては注意を払うべきです。例えば、ケーススタディで特定のテストを頻繁に目撃すれば、そのテストがあなたのWebサイトに適しているだろうと、盲目的に信じてしまうのです。

    3.利用可能性カスケード


    公的な演説で繰り返されることにより、集合体としての信念が、より妥当性を得る自己強化のプロセスです(もしくは、十分に長い期間繰り返された何かは、それ自体が真実となることです)。


    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • これは、注意バイアスと密接に関係しています。より多くの人があなたのWebサイトについてポジティブな意見を述べると、あなたから何かを購入する傾向が強まります。反対に、より多くの人があなたのWebサイトについてネガティブな意見を述べると、あなたから何かを購入する傾向が弱まります。

    • • あなたのメッセージ、ストーリー、コピー文を再考する時間を取りましょう。これら3つのどのような組み合わせが、あなたのWebサイトについてよりポジティブな会話を導くでしょうか?次に、人々がそうした会話をしやすくなる状況を作りましょう(例:ソーシャルの共有ボタン、tweetとEメールでのオファー、ソーシャルブックマークサービスへのコンテンツの送信、など)。

    • • Webサイトやソーシャルネットワークを駆使し、可能な限りリーチの拡大を助けてくれる、インフルエンサーやメディアを発見しましょう。あなたのWebサイトをプロモートするために彼らが必要なもの全て(トピックのアイディア、ストーリーのアイディア、関連する業界のトレンド、事実と数字、クリックして共有できるいいねボタン、など)を提供しましょう。

    4.バックファイア効果


    自身の信念を強化することによって、証拠に対し、反証するように対応することです。

    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • 訪問者は彼らが信じていることを信じます。あらゆる世界中の事実をもってしても、彼らの信念を変えることはできません。その代わり、感情的な説得が必要となります。合理的な主張は、彼らが抱いている信念の深くまで変えることはできません(例:Appleは他のPCよりも優れている、BasecampはTrelloよりも優れている、Google SheetsはExcelよりも優れている、など)。

    • • 仮説に固執しすぎる場合も、この影響を受けています。あなたの仮説が間違っているという証拠があるにも関わらず、そのテストが不当で不正解である理由を考え出そうとします。ダブルブラインドテストを行うことが、幾分かは、この問題を解決する手助けとなります。

    • • 定性的な調査を行い、訪問者の信念の核となる部分を把握します。お金に関する決定を、彼らはどう下すのでしょうか?生産性とワークライフバランスに対しての彼らの考えはどういったものでしょう?マーケティングの対象となることについて、彼らはどう感じるでしょうか?訪問者の信念の核となる部分を把握できれば、それらを変化させるのではなく、その信念の中で作用することができるのです。

    5.バンドワゴン効果


    他の多くの人が同様に行う(または、信じる)という理由で、それを行う(または、信じる)という傾向です。集団思考や群衆行動と関連しています。



    何年もの間、BasecampはWebサイトのトップページに、サインアップ数の成長を表した図を掲載しています。

    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • 訪問者が、他の人もあなたの製品やサービスを使用していると考えた場合、あなたの製品やサービスを購入する傾向が強まります。これは、希少性やソーシャルプルーフが効果的な理由でもあります。

    • • ニッチなコミュニティや、そのコミュニティをリードするインフルエンサーを特定します。あなたの製品やサービスをそのコミュニティに提供し、そのニッチなコミュニティ内に集団心理を形成します。そこで勝利を得られた場合、次のニッチなコミュニティへと移ります。

    • • 摩擦のポイントの近く(例:コールトゥアクション、チェックアウトページ)に、数字形式のソーシャルプルーフ(100万人の幸せな購入者)や、テスティモニアル(「私はABCという理由でXYZのサイトを好んでいます」)を設置する。

    • • ボタンの色を変更することがコンバージョンに劇的な影響を与えると信じているマーケターと仕事をしている場合、あなたも同様に、ボタンの色を変更することがコンバージョンに劇的な影響を与えると信じる傾向が強まります。自分の知らないところで、あなたのテストに影響を与える人には気をつけてください。

    6.信念バイアス


    結論の信憑性によって、議論の論理的な強さに対する評価が、決定される効果です。



    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • 常識外の主張を行うと、それが真実かどうかはさておき、訪問者があなたから購入する可能性は低くなります。「真実とするにはあまりにも良すぎる」ように聞こえてしまうと、訪問者は、真実とするにはあまりにも良すぎると信じてしまうのです。

    • • あなたの製品やサービスが、訪問者の生活をどのように改善するのかを示しましょう。あなたの製品やサービス自体がどれほど優れているか、を示すのではなく。また、そうした主張があまりも信じがたいものでない内容にすべきです(例:Axeを自身に吹きかけると、たちまち女たらしになる)。

    7.クラスター錯覚


    大規模でランダムなデータ内にある、少数の傾向、ちょっとした幸運、特定の集団の重要性を過度に評価してしまう傾向です(つまり、幻のパターンを見ている状態と言えます)。

    あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
    • • なにも存在していないところでの傾向を見てしまい、間違った情報を元に、将来のテストや仮説を立ててしまいます。これを避けるためには、テストを行う前に、正しいサンプルサイズを集められていることを確認することが重要です。完全なサンプルサイズに達する前に、テストを行うことは避けましょう。

    • • 一度なんらかの傾向を信じてしまうと、無意識にその傾向を探してしまいます。そうしてしまうと、より価値のある他のインサイトを無視してしまうことになります。

    • 8.確証バイアス


      自身の先入観を確かなものにするために、情報を探し、解釈し、注力し、記憶する傾向のことです。


      ロジャー・ドーリーは、確証バイアスが明らかにすることについての記事を書いています。

      ここに、我々全員が学ぶ教訓があります。投資、選挙、その他多くのトピックについて間違った判断を下すことを避けるために、下記の2つを行わなければなりません。

      1. 1.確証バイアスの危険性を意識し、私達の判断は確証バイアスによって曇ってしまう可能性があることを認めることです。

      2. 2.私達が既に持っている信念に反対する情報を積極的に探し、理解することです。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • ある意味、確証バイアスはクラスター錯覚に似ています。頭の中にアイディアが生まれれば、その考えや信念を確固とする情報を無意識に探し始めます。実験者としては、重要でないテストに時間を費やしてしまう可能性を意味します。

      • • フォームの項目を減らすことがコンバージョンを増加させると信じており、例え僅かとはいえ、実際に増加した場合、そのテストは成功したと信じ、次のテストに移ってしまうでしょう。その他の価値あるインサイトを見逃し、より重要なテストをないがしろにしながら。

      • • 自身のアイディアや信念を僅かでも確固たるものにするために、データを誤った方法で解釈してしまいます。テストを行う前には、結果に対する感情的な執着を取り除くよう努力しましょう。あなたの意見は、実際に、ただの1つの意見に過ぎないことを思い出すのです。

      • • 訪問者もまた、先入観があり、それを変えることは困難です。最良の結果を得るために、親しみと一貫性をもって、こうした先入観に対応しましょう(こうした考えや信念を変えようと試みるのではなく)。

      9.対比効果


      最近観察された対象物と比較した場合に起こる、特定の認知の刺激の強化や弱化です。

      Limpfishは面白い404ページを作成し、驚きという要素を追加しました。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 「基本的な予測」を満たしながらも、その対比も作らなければなりません。驚きという刺激は、脳のペースを落とし、その刺激に注力し、結果として記憶に残ります。

      • • カスタム404ページ、アプリや動画内のイースターエッグなどについて考えてみましょう。これらは、自身のカテゴリの基本的な予測を満たしながらも、他よりも目立つような驚きという要素を追加しています。

      • • 我々の脳は、あなたのWebサイトと競合他社のWebサイト、現在のWebサイトのデザインと過去のWebサイトのデザインのように、常に比較を行っています。リスクはありますが、急激なデザインの刷新は、対比効果を理由とし、極大値を克服する助けとなるという意味では、非常に強力となります。

      10.知識の呪い


      それについての知識を深く持っている人は、それについての知識を少ししか持っていない人が抱える問題について考えることが、非常に困難であることです。




      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • あなたは、あなたのWebサイトへの訪問者ではありません。あなたは自身のWebサイトに精通しており、新規の訪問者と同じ方法で、あなたのWebサイトを使用し、閲覧することはありません。コンバージョン増加を目的とした再デザインを行うさい、自分自身で判断を下すことはやめましょう。他の誰か(あなたより知識の少ない誰か)に依頼し、ユーザー体験とデザインについての意見を求めましょう。

      • • あなたの製品やサービスに対するあなたの表現は、あなたのWebサイトへの訪問者が用いる言葉よりも、高度な表現になる可能性が高いです。あなたよりも知識が少ないコピーライターにメッセージを作成してもらう、質的調査を行い顧客があなたの製品やサービスをどう表現するかを発見する、などが必要です。

      11.共感ギャップ


      自身や他者における、感情の影響や強さを過小評価してしまう傾向です。

      我々が思う以上に、感情は説得に使われます。


      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 判断を下すさいに、感情が果たす役割を過小評価してしまいます(あなた自身においても、他者においても)。我々は、合理的な人々は合理的な判断を下すと信じています。

      • • 感情的なコピー文の作成、感情的なデザインやユーザー体験、感情的に説得力のあるコールトゥアクションの作成。これらは皆、純粋に論理のみでアピールすることよりもはるかに説得力があります。合理的な訪問者を説得することはやめましょう。それらへの対策を、あなたはなにも持っていないのです。

      • • あなた自身の感情がコンバージョンに影響することを意識しましょう。あなたは感情に基づいて仮説を立て、訪問者の感情はあなた自身の感情の反響だと信じています。

      • • 感情を取り除くことはできませんが、あなたのWebサイトやブランドに関連する感情を理解するための質的調査を行うことはできます。そして、そこで得られた情報を元に、感情的に説得力のある意見を設計するのです。

      12.フレーミング効果


      情報の提示のされかたによって、同じ情報から異なる結論が出ることです。

      ジョアンナ・ウィービーは、フレーミングの起源と重要性という記事を書いています。
      今日、我々が知るフレーミングとは、1980年台初期に、トヴェルスキーとカーネマンによって行われた研究に基づいています。マーケターは、そこから下記のインサイトが得られます。
      • • ネガティブなメッセージはネガティブな関連性を、ポジティブなメッセージはポジティブな関連性を伝える。

      • • 利益を得ることよりも、損失を受けるさいの痛みのほうが強い(損失回避)。

      • • 小さな投資で小さな利益を得ることは、大きな投資で同等の利益を得ることよりも、喜ばしい(例:「$10を使うさいに$2の節約ができる」ことのほうが、「$5000を使うさいに$1000の節約ができる」よりも、好ましい。)。

      • • 確証のある勝利のほうが、可能性のある勝利よりも、好まれる(確実性効果)。

      • • 可能性のある損失のほうが、確証のある損失よりも、好まれる(プロスペクト理論)。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 質的調査を行うさい、そこであなたが問う質問は、この影響を受けます。質問をする方法が、異なる結果を導きます。調査を公開する前や、質問をする前に、その言葉が明確であり、回答者を特定の答えに導くことはないことを確認しましょう。

      • • コピー文やデザインという観点では、あなたのバリュー・プロポジションやコールトゥアクションの提示のされかたは、あなたのバリュー・プロポジションやコールトゥアクションの内容と同程度に重要です。データには説得力がありますか?深い考えを刺激するように質問をしていますか?ストーリーは語られていますか?あらゆる訪問者を同様の結論へと導くようにしましょう。

      • • 他のチームメンバーにコンバージョンのデータを提示する方法には、とても影響力があります。明確で正確でない場合、あなたの同僚はあなたが行ったテストの効果やそこで得られたインサイトについて、異なる結論を導くかもしれません。

      13.錯誤相関


      関連性のない2つのイベントの関係を不正確に認識してしまうことです。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • クラスター錯覚で学んだように、我々の脳はトレンドやパターンを探しますが、しばしばなにも存在しないところでの関連性を認識してしまいます。この傾向は、テスト結果を正確に分析し、報告する能力に影響を与えます。

      • • テストを行い、コンバージョンが増加した場合、それら2つの関係性を認識します(例えば、あなたが行ったテストが、コンバージョンが増加した理由であるというように)。しかし、実際のところ、コンバージョンはPPCのキャンペーンや季節性の要因などによって増加したのかもしれません。

      • • データに対する結論を出す前に、あなたのテストに影響を及ぼす外的要因について考えましょう。休日、新しい広告キャンペーン、特定の曜日、など。一般的な関連性ではなく、本当のインサイトにつながる関連性を探すよう、自身の脳を鍛えましょう。

      • • テストを行うさい、十分な量のサンプルをもって、統計的な優位があるか確認しましょう。さもなければ、テスト結果の根拠が薄れ、関係がなく、信頼に値しないイベント間の関連性を見てしまうかもしれません。

      14.購入後の合理化


      その購入は価値のある購入であったと、合理的な議論によって、自身を説得する傾向です。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 「バイヤーズ・リモース」という言葉をご存知でしょうか?50%以上の人々が、しばしばバイヤーズ・リモースを感じたことがあるとのことです。バイヤーズ・リモースを感じると、訪問者は合理的な議論を通じ、その購入は良い考えであったと自身を説得します。

      • • 購入後のメッセージでは(ページ上やEメール経由で)、購入が成功であり、バリュー・プロポジションを強化するような、ポジティブなメッセージを伝えましょう。コンバージョンが終わったとしても、説得はやめるべきではありません。

      • • また、合理化は脳の共通の機能であることにも気をつけましょう。大抵の場合、訪問者は感情をもとに判断し、合理的な判断はその後に行われます。まずは感情にアピールしましょう!

      15.単位バイアス


      タスクやアイテムを与えられた単位で完了させたいと思う傾向です。特に、食品の消費に強い影響を与えます。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 見始めたから、という単純な理由で、面白くない映画や本を最後まで見たという経験は多いでしょう。一度始めると、それを完了したいという気になります。これは、ストーリーテリングが強力である理由となります。読了率と滞在時間を改善するため、コンテンツには、序論、本文、結論を含める構成にしましょう。

      • • コンバージョンファネルを改めて確認しましょう。完了させるのを困難にさせているステップがあるでしょうか?フォーム内の不要な項目を削除し、簡潔な言葉で書き、より直感的なデザインにする、など。訪問者は、彼らが始めたことを完了させたがっていますが、あなたは、それを可能な限り簡単にできるようにする必要があります。

      16.偽の合意効果


      他者が自分に同意することに対しての程度を過大評価する傾向のことです。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 「誰もポップアップをクリックしてくれない」。「誰もがスライダーは嫌いだ」。こうしたフレーズに聞き覚えがないでしょうか?我々は、我々が行うことと同じように他者も考えており、多かれ少なかれ自分に同意してくれると信じる傾向があります。この傾向は、デザインやライティングなどに、ネガティブな影響を与える可能性があります。

      • • 質的調査を行うさい、個人や小さいグループの意見を過大評価しないでください。こうした意見は、あなたのオーディエンス全体の意見を反映したものではありません。各人それぞれのバイアスがあり、全員が同じように感じていると想定することは危険です。

      • • コンバージョンを増加させるためにすべきことは、あなた個人の意見ではなく、データがそう示すから、行うべきなのです。あなたの個人的な意見は、まさに、個人の意見なのです。あなたにとって迷惑で邪魔なことは、他者にとっては、有益で目を見張るものかもしれません。

      17.コンテキスト効果


      認識や記憶は文脈に依存しており、文脈外の記憶は、文脈内の記憶に比べ、思い出すことが困難です(例:仕事を想起する時間や精度は、自宅にいると低くなります。逆もまた然り)。

      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • 訪問者の過去の記憶や行動に刺激を与えたいのであれば、文脈は重要です。これらの感覚は、過去と同じ文脈にいるとき、思い出すことが容易となります。これらの感覚、記憶、行動をより簡単に引き出すよう、コピー文やデザインを構成しましょう。

      • • バリュー・プロポジションを作成しても、訪問者がその記憶を呼び起こす文脈を提供していなければ、問題に直面してしまうでしょう。ミーティング中にメモを取るという課題を解決しても、あなたの訪問者はミーティング中でもなければ、働いてもいません。メモを取ることがどれほど難しく、煩わしいものであるかを思い出すことは、遠くの記憶なのかもしれません。そうした記憶を前面に持ってくるために、コンテキスト(例:画像やキーワードなど)を使用しましょう。

      • • PPC広告での利用を検討しましょう。ビジネス上の課題を解決したい場合、ターゲットとなる人々が仕事中の時間を狙います。あなたが彼らに下してほしい決断を、彼らが下しやすくするために最適な文脈にいるようにするのです。

      18.ユーモア効果


      ユーモアのある項目は、ユーモアのない項目よりも、簡単に思い出すことができます。これは、ユーモアの独自性、ユーモアを理解するために必要な時間の増加、ユーモアによって引き起こされる感情的な興奮、などによって説明されるかもしれません。

      ランス・ジョーンズはランディングページ用のガイドラインを提供しています。
      ランディングページの訪問者は、(1)自分がどこにいるのか、(2)そのWebサイトで何ができるのか、(3)そこに滞在すべきか、を理解する必要があります。これらの要素が全くの不明である場合は、信頼性と訪問数を失ってしまうでしょう。


      しかし、適した場所に主要なメッセージ(そして、Vossウォーターのように透明な)を表示すれば、いくらかの楽しみを追加し、クリエイティブなアイディアを表現しても良いでしょう。
      あなた自身への影響と、その活用の例を挙げてみましょう。
      • • Dollar Shave Club、Poo-pourri、そして、£8,999のurine-freeのウェットスーツに共通しているものはなんでしょう?これらは、覚えやすく、注意を引きつけるために、ユーモア効果を活用しています。

      • • 「今までで一番面白かった」と述べたことは何回あるでしょうか?ユーモアは山火事のように広がっていくのです。

      • • ユーモアは効果的ですが、注意もあります。ユーモアであることはしばしば明確性を犠牲にします。どこに、なにを、なぜ、といったことを明確にしましょう。その状況が整えば、ユーモアの実験を行うことが可能となります(例:コピー文にパンチラインを含める、GIFやミームを使う、キャッチフレーズを用いる、など)。

結論

検討すべき認知バイアスは他にもあります。しかし、この記事で紹介した認知バイアスはとても一般的であり、マーケターにとっても関係のあるものです。

こうした認知バイアスを意識すれば、最初に投げた質問に答えることができるはずです。人々が過度に主観的(そして、文脈的)な要素に影響されている場合、どのようにすれば、彼らを効果的に説得できるのでしょうか?

脳の限界について意識すればするほど、あなたの説得力はより強くなります。認知バイアスについて、あなたが知るべきことをまとめます。

  1. 1. 全員が、すべからく、認知バイアスによる影響を受けています。あなたでさえも。
  2. 2. 複数のバイアスを理解し、日々の生活でそれらを意識しましょう。
  3. 3. あなたとあなたのWebサイトの訪問者は、思っているほど合理的ではなく、思っている以上に感情的であることを理解しましょう。
  4. 4. コピー文、デザイン、コールトゥアクションに認知バイアスのアドバンテージを活用しましょう。
  5. 5. テストを行うさい、自身の認知バイアスを考慮に入れましょう。

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