私達は4,000~10,000のマーケティングメッセージを毎日目にしています。コンバージョンを得るため、まずは関心を引く必要がありますが、大見出しは誰もが最初に見るものです。
しかし、関心を引くためには、顧客の問題に語りかけ、彼らが我慢しているノイズについての理解が必要です。そのためには、カスタマーディベロップメント、フィードバックループ、質的調査、また、ソーシャルメディアマーケティング戦略などが効果的です。
大見出しが効果を発揮する理由を深く理解せずに、こうしたテクニックを用いる機会も多々あります。しかし、人々がクリックをする理由を深く理解した後で、この記事で紹介する特徴を大見出しに追加するようにしてください。
今まさにあなたが読もうとしている情報は非常に強力ですが、2つの免責事項を記載します。
- • ここで紹介するテクニックの全てが、あらゆるシチュエーションで、常に効果を出すわけではありません。しかし、大見出しに追加するこれらの特徴が、多くの場合において効果的であることを、データは示しています。
- • 異なるオーディエンスにとっては、異なるテクニックがより効果的であることもあります。調査は唯一のことを語りますが、あなたの旅路は可変します。あなたのオーディエンスについて最もよく知る人物は、あなたなのです。
それでは、高いコンバージョンを導く大見出しの5つのテクニックを紹介しましょう。
1. 大見出しには数字を含める
番号が振られたリストの大見出しは、非常に高いクリック率を誇ります。このような大見出しを用いる記事を、毎日見かけることでしょう。
これについてのデータを深堀りした研究やスプリットテストは多く存在します。数字を用いた大見出しは、常に勝者となっています。
この記事を書いている間に、Twitterを覗いてみました。案の定、上から10件のエントリーで、私が見たのはこれです。
今度はFacebookを見てみましょう。同じことが起こっています。私の知人は真剣に、こうした記事を共有しているのでしょうか?
結局のところ、数字は分かりやすく明快に機能します。ジョナ・ペレッティに尋ねてみましょう。彼は、Buzzfeedの初期の責任者です。毎日2.8時間もの専門家の時間を奪っています
。
数字は至るところに見られます。
Content Marketing Instituteは、奇数の数字を含む大見出しは偶数の数字を含む大見出しよりも、クリック率が20%高いと報告しています。
数年前、Highriseはランディングページの大見出しのテストを行いました。数字を含む大見出しは、コンバージョン率が30%高いという結果が出ています。
▼数字が含まれていない大見出し:
▼数字が含まれている大見出し(勝者):
まさに私も、この記事のタイトルにこのテクニックを使用しています。しかし、なぜ数字はこれほどにも効果的なのでしょう?
これは非常に複雑な問題です。数字が人々の認知に与える影響を調査している心理学や行動経済学の研究もあります。
つまるところ、その数字が使われている文脈や、どのように使われているか、ということになります。例えば、世界中の多くの文化では、幼い頃から「より多くの数がより多くの何かを意味すると推論する」と条件付けられています。
これが、企業が数字の増加を強調したがる理由となります。もちろん、これらの数字は、小さな数字よりも訴求力が強いです。それらのチャネルが何を意味しているか、という詳細な情報よりも説得力があります。数字が大きいことを気にする人はいないでしょう。
未来志向や抽象的なコンテキストの場合、大きい数字のほうが快適であるという、ユニトジティの効果もあります。180ヶ月間の月額$100のローンの支払は、同じ内容の15年間のローンよりも、同意を得やすいのです。
シカゴ大学のモンガとバグチの両研究者は、彼らの発見に関する論文を公開しています。
こちらのPDFから読むことができます。
また、アモス・トヴェルスキーとダニエル・カーネマンが発見した、数字についての興味深い別の事項があります。あなたが提示する数字の順番が、人々の認知に影響するというのです。彼らの研究によると、多くの利益が最初に提示されると、それを見たユーザーの利益に対する認知が「根付く」とのことです。言い換えれば、「100個のアルバムが受け取れて、その価格が$5」であることは、「$5の価格のアルバムが、100個受け取れる」よりも、高い価値があると認識されるのです。
脳は最初により大きな利益を認知し、より大きな価値を残りの利益に割りあてます。同様の効果は、カウントアップ(1から10)ではなく、カウントダウン(10から1へ)で見られます。残り物の最後に一番良いことが起きるという予測を作るのです(この記事でもこちらのテクニックを使用すべきでしたが、このような記事のほうが、より効果的でしょう)。
The Atlanticのハンス・ビジャリカは、数字はどのようにして我々の認知に影響するのか、という素晴らしい記事を書きあげています。
2. 大見出しの単語数は5~9(もしくは16~18)の間に収める
大見出しやタイトルの文字数は8単語が最高のパフォーマンスとなる、とOutbrainは報告しています。
我々の調査では、8単語のタイトルが最も高いクリック率を得ました。また、大見出しの場合は、平均よりも21%高いパフォーマンスを見せました。もし、より多くのクリックを獲得したいのであれば、タイトルの長さも考慮してください。
なぜ、8なのでしょう?7や35ではなく。
私にもわかりません。おそらく、人間の脳の限界があり、それが関係しているのではと考えています。心理学の領域でこれについて最も言及しているものは、プリンストン大学のジョージ・A・ミラーによる1956年に行われた研究で、
「魔法の数字7、プラスマイナス2:情報を処理するキャパシティの限界」というタイトルの論文があります。彼の調査の全体的なポイントは、「平均的な人間のワーキングメモリ内に保持できる対象は、7プラスマイナス2である」ということです。
ジェイコブ・ニールセンによるユーザービリティ調査と組み合わせてみると、一般的に、ユーザーは全てのWebコンテンツをスキャンし、大見出しの最初と最後の3つの単語を最も注視する、ということがわかりました。
さらに、最初の2単語(特に最初の11文字)は、人々をコンテンツへと没頭させるための違いを作り出します。BBCのWebサイトの分析の中で、ニールセンはこう述べています。
しかし、この戦略は誰にでもできるものではありません。また、その効果は、大見出しがスポンサード記事のものであるかどうかで、変わってきます。
ネットワーク内のペイドリンクのみに焦点をあてたOutBrainによる他の研究では、理想的な大見出しの長さは16から18単語であるとのことです。
「理想的な長さ」は可変ですが、このトレンドは他言語でも起こっています。
では、ペイドリンクで最高のパフォーマンスを発揮した大見出しは、非ペイドリンクの文字数のほぼ2倍になっている理由はなんなのでしょうか?
私の推測では、OutBrainのネットワークでのプロモーションコンテンツは明確にマークがつけられており、ユーザーは、すぐには認知出来ないサイトを訪問した際にクリックへの恐れを持つからだと思います。
長い大見出しは広告主へ、より大きな「領域」を与えることになります。その結果、コンテンツの詳細を説明でき、摩擦を軽減する機会となるのです。
その違いは僅かなようですが、あなたが全くわからない人を引きつけたいのであれば、長く、より説明的な大見出しは、実験する価値があります。
3. 大見出しはネガティブな内容に
長い間、大見出しの書き手はポジティブな内容で書くほうが、クリック率、共有性、可読性、コンバージョンが高まると考えていました。
しかし、それが必ずしも真実でないことが明らかになっています。
この点の理解を確かなものにするため、「ポジティブ」と「ネガティブ」の言葉を確認しましょう。
- • ポジティブ:常に、必ず、最高
- • ネガティブ:決して〜ない、最悪
これらの言葉のパフォーマンスをテストで計測してみましょう。Outbrainの調査の結果は下記となりました。
タイトル内に最上級のネガティブなワードを使用すると、標準よりも30%良いパフォーマンスが見られました。また、ポジティブなワードを使用するよりも、60%もパフォーマンスが高かったのです!なぜ、このようなことが起こるのでしょう?Outbrainは下記のようにまとめています。
ポジティブなワードの最上級に対するオーディエンスの嫌悪は、単純に、過度な使用の結果かもしれません。もしくは、情報源の支持に対して懐疑的な気持ちがあるからとも考えられます。反対に、ネガティブな情報源はより公平で正しいと受け取られやすいのかもしれません。ポジティブなワードの最上級は、過度に使われた結果、古臭い決まり文句となり、ネガティブなワードの最上級は思いがけず、興味を引くのかもしれません。
よりネガティブな表現にするとどうなるでしょう?Startup Moonの調査によると、「失う」、「殺す」、「恐れ」、「闇」、「出血」、「戦争」のようなワードは、より純粋さや肯定的なものを凌駕していることがわかりました。
反対に、ポジティブなワードの最上級の場合、そうはいきません。MozとConductorの調査でも、同様の結果が得られています。
ここで得られる知見は、「陰気、もしくは、中立であれ」ということです。しかし、浅薄で極端に楽観的な内容のタイトルにすべきではありません。
4.大見出しは2つのパートで作る
成功する大見出しは2つのパートでできています。始まりと終わりがあるのです。それは、テーゼとアンチテーゼであり、ヘッドとテールです。
CMIは、「(サブタイトルを示す)タイトル内にあるコロンやハイフンは、それらが無い大見出しと比べ、パフォーマンスが9%良くなる」と主張します。
ピープは下記のようにまとめています。
良い大見出しとは、それ単体では不十分です。助けが必要なのです。(中略)サブタイトルを含めることで、明確さが増します。
MozのWebサイトのトップページは下記のように表示されています。
サブタイトルは、読者がなぜこのページにいるのか、その理由を再確認させます。また、そのページがこれから伝える内容の下準備としての役割を果たします。
「第二の」大見出しというアイデア自体は、新しいものではありません。ちょうど、検索結果に表示されるメタ・ディスクリプションのようなものです。
もしくは、雑誌の表紙のマイクロコピーとも言えます。
また、我々の興味を引く、本の表紙に書かれている、短い説明文のようなものです。
これらは恣意的なものでしょうか?Timetrade.comのチームもそうだったかもしれません。彼らは大見出しをサブの見出しに置き換えたところ(利益を重視したものでしたが)、すぐにコンバージョンが85%も増加しました。
以前:
変更後:
5. 大見出しは、真に明確な内容にする
優れた大見出しには、全く曖昧さがありません。
質問形式の大見出しは常に訴求力があるわけではないことが明らかになっています。もちろん、幾分かの好奇心はありますが、訪問者のエンゲージメントとコンバージョンにとって、最適な方法ではありません。
5つの一般的なタイトルの種類についての調査があり、その調査では、大見出しの内容が明確であるほど、より訴求力があることがわかりました。
この調査で使用された5つのタイプのタイトルは下記の通りです。
- • 通常:お茶をより楽しくするための方法
- • 質問:お茶をより楽しく飲むための方法は何か?
- • ハウツー:より楽しいお茶の飲み方
- • 数字:お茶をより楽しく飲むための30の方法
- • 読者への呼びかけ:あなたが知るべき、お茶をより楽しく飲むための方法
ジェイソン・デマーズは大見出しに含める利点の重要性を主張します。
大見出しの内容はオーディエンスに対し、可能な限り具体的なものにすべきです。例えば、「ソーシャルメディアに適した書き方と30日間でクリック率を倍にする方法」といった具合に。大見出しの内容は、その利点を約束し、明確にすべきです。読者は、その次に来る内容を期待することができます。その利点は、スキルの上達やより多くの露出を得られるなど、明確であるべきです。
答え、解決策、製品を探していたり、お金を使おうとするときに、不明瞭さや不確かさを望む人はいません。人は、明確さを求めます。
可能な限り、明確にしましょう。
結論
あなた自身の価値と影響力を向上させたいのであれば、良い大見出しを書けるようになりましょう。
効果的な手法は下記の通りです。
- • 数字を使用する
- • ユーザーがあなたのサイトに親しんでいる場合は、およそ8つの単語を使用する。そうでなければ最大18単語まで使用する。
- • 中立、もしくは、ネガティブなワードを使用する。ポジティブな最上級のワードは使用しない。
- • 2つのパートを用いる。大見出しと、小見出し。
- • とても、とても明確な内容にする。
大見出しの内容が良くなるほど、あなたのマーケティングも良いものとなります。この記事で紹介した5つの手法を使用しましょう。コンバージョン率の改善に寄与することに、私は大きな自信を持っています。