今日は「マシュマロ・テスト」(マシュマロ実験)に関して話します。
ここ数年「意志」をどのように強化するかという話題が結構取り上げられている感覚があります。
Kelly McGonigal著作の「The Willpower Instinct」やCharles Duhigg著作の「習慣の力」 (おすすめ)には意志力の強化が一つのテーマになっています。
意志力を高めることで例えばタバコ、深夜のラーメン、ゲームなどの強い誘惑を抑えることが出来るようになり、結果とし自分の健康、ライフクオリティが良くなります。
人の「意志力」をどのように計るかと言えば、60年代に行われた伝説のマシュマロ・テストがすぐに頭に浮かびます。米スタンフォード大学の心理学者Walter Mischelは4才の子供をキャンパス内の実験室に招きます。実験室には子供の気を散らすもの、おもちゃ、本などは一切置いてありません。
子供にマシュマロ、クッキーなどの甘い美味しいものを見せます。「好きなものを選んでください」と言い、4歳児が好きなお菓子を選びます。
「大人が戻るまで食べすに待っていたら、もうひとつのご褒美をあげるよ」と実験担当者が伝え、子供を一人にします。
子供の行動はもちろん細部まで観察します。
結果?4歳児の1/3は、案の上、そのまますぐにお菓子を食べるが、1/3程度は15分程度我慢します。
残りの1/3はテスト中でお菓子を食べてしまいます。
お菓子を食べないで、我慢できた子供には一つの共通点があります。お菓子から視界をそらそうとしたり、手を叩いたり、歌を歌ったり、体操をしたり、我慢の強い子は皆それぞれの方法で、自分の気を紛らわし、誘惑を抑えています。
テストを受けた子供のフォローアップ調査も行います。高校生になった時点で我慢できた子、我慢できなかった子の間になんらかの差があるかを調べます。
驚くことに、マシュマロを我慢できなかった子には不良行動、ドラッグ使用、肥満という問題がマシュマロを我慢できた子より断然多いというデータが出ます。
我が娘がドラッグとかに手を出せば、私は泣きます。本当に泣きます。
そこで「攻撃は最善の防御」ということで私は我が娘にマシュマロ・テストをさせようと決心しました。
娘はちょうど4才ですし、 DLPOはテスト大好きの会社です。この貴重な機会は逃せません。
実験を東京大学に実施するつもりでしたが、あいにくそのリクエストは却下されました。
仕方なく、DLPO内の一つの会議室を実験室としてセットアップしました。おもちゃ、本など気を散らすものは一切置いていません。実験担当を小嶋に指名します。
マシュマロの前に被験者が座っています。テスト開始! 実験担当の小嶋が丁寧にテストの指示をしています。
被験者の名前:みあ
血液型:O
好きな食べ物:いちご
性格:内弁慶型
予想と違って、5分経過というところで、わが娘は余裕でマシュマロの誘惑を抑えている様子です。
10分経過。先の笑顔が完全に消えています。心配です。15分まで持つか?
15分経過!みごとに合格です!
奇跡に近いですが、我が娘はマシュマロという強い誘惑には負けていません。勝っています。勝っています。
この子の将来が間違いなく明るい!10秒程度で二つのご褒美を飲み込んでいます。被験者の父親が隣で喜んでいます。
今朝、幼稚園に行く途中で「次のマシュマロ・テストはいつやるの?」と娘が聞いています。