1st party dataを活用したLPOで求職者の応募数アップ!
〜株式会社キャリアデザインセンターのABテスト事例〜

1st party dataを活用したLPOで求職者の応募数アップ!
使い勝手の良さで「PDCAの敷居」も下がり、チーム活性化に貢献

個々の求職者にとってユーザビリティの高いサイトに

企業の採用活動を支える多様なサービス

──まず、御社やサービスについてご紹介ください

竹田:はい。当社は1993年に創業し、「いい仕事・いい人生」という理念のもと企業の採用活動をサポートする総合人材サービス会社です。キャリア情報誌「type」の創刊からスタートし、キャリア志向の高いエンジニア・営業・女性を主軸にした事業展開を行い、「ひとつ上」のキャリア転職マーケットの確立を目指してきました。
インターネットの普及にともなって2000年に転職サイト「type」をスタートし、その後、正社員で成長したい女性のための転職サイト「女の転職type」を立ち上げました。現在は「type」「女の転職type」の2つのサイトを中心に、メディア情報事業では、技術者のキャリアを考える「エンジニアtype」、新世代の働く力を育成する「20’s type」、働く女性のワーク&ライフマガジン「Woman type」などのWEBメディアの運営やダイレクトリクルーティングサービス、転職フェアの開催を行っています。そのほか、人材紹介事業、IT派遣事業、新卒採用支援事業なども行っています。

──転職サイトの運営だけではなく、さまざまな事業を行っていますね

竹田:はい。多様な事業でシナジーを発揮しながら、より多くの求人企業や求職者に対して多彩なサービスを展開しています。

使い勝手の良さによりPDCAサイクルがスピーディーに

  • ──DLPOの導入の背景を教えてください。導入を考える際、どのような課題がありましたか。

    竹田:「type」は、基幹業務システムと深く連動しています。そのためちょっとしたUIの変更をする場合でも、ガチガチにシステムに組み込まれているものですから、デザイナーやコーダーで作業が完結せず、エンジニアによってサイトへの組み込みが必要のため、改修する度にエンジニアのリソースが必要となっていました。

──それでは簡単なUIの変更なども大変でしたね。

竹田:ちょうど大きなシステム改修を行うタイミングがあり、エンジニアのリソースが確保できない期間が発生してしまうため、サイトのPDCAを回すためのツールを導入しようということになったんです。そこでWEB接客ツールを扱っている企業さんなどに声をおかけして……。

──テストツールなどを探していたわけではなかったのですね。

竹田:そうなんです。なので、最初はDLPOさんには声をかけていなくて(苦笑)。どんなツールがあるかリサーチを続けていく中で、たまたまDLPOさんのLPか何かを拝見して、「そうか、LPOツールでもいけるかも」ということで連絡をさせていただきました。

──それだけさまざまなツールを検討した中で、DLPO導入の決め手となった理由はなんでしょうか。

竹田:まずは使い勝手が良さそうだったというところですね。LPOツールでありながら、JSをガリガリと書けなくても、汎用的で手軽にサイトの改修に活用していけそうだなと感じた点が一番でした。なにしろ「エンジニアリソースを使わずにサイト施策のPDCAを回していこう」が最初のミッションでしたから。DLPOを導入すれば、これらを実現できそうだと感じたところが決め手になりました。

──導入していただいたのは2019年の春から初夏ぐらいでしたね。

竹田:その頃ですね。ツールを入れる以上はできる限り手軽に、広くさまざまなことができるツールを入れたかったんです。また、当社の場合、サイトに手を加えるためには、エンジニアのリソースが必要でした。そのエンジニアリソースが使えないため、ツールを導入する際にはGTMとかタグマネジメントツールも入れられなければ話にならないわけです。このツールを入れて実際にスムーズな運用を実現できるかというところが、何よりのポイントでしたし、DLPOはそこを見事に実現してくれました。

顧客体験向上のためのアイデアが出やすい環境に

  • ──実際に導入してからの印象はいかがでしたか。

    竹田:使い始めて、サイト改修のスピードが上がりましたから、その中で徐々にチームメンバーから「こういうことができるといいよね」という声が上がる頻度も高まっていきました。顧客体験を上げるためには何をすると良いだろうか。そういうことを考える中で、ABテストを手軽に行えるおかげでどんどんPDCAサイクルの回し方は速くなっていきました。

──テストを元にCVRをチェックしていく中で、仮説検証のスピードが上がっていったのですね。

竹田:はい。私たちはつねに「type」の中の応募完了数をモニターしていますが、当然、企画によってそれが下がってはいけないわけです。サービス施策を行う中で、CVRを下げずに、逆にどれだけ上げることができるのか。どういった施策がどの程度影響があるのか。それをメンバー一人ひとりの発案から実施して検証する。そのスピードが以前よりも圧倒的に速くなりましたね。

──テスト事例として印象に残っているようなことはありますか。

竹田:そうですね。「type」ではすべての応募が最初から最後までサイト内で完結しているとは限らず、中には外部の求人サイトから訪問した求職者を、応募に結びつけているケースがあります。そうした導線の場合に、たとえば「type」は黄色が印象的なサイトなのですが、流入元のサイトと「type」の色づかいがガラッと違っていてはユーザさんが戸惑ってしまうのではないか。そう考えて、流入元のサイトによって色味を変更してテストしたことがあります。

──結果的にはどうだったのでしょうか。

竹田:全然ダメでしたね。完全に目論見を外して、むしろCVRを下げてしまいました(笑)。成功例ではなかったのですが、こうした仮説をDLPOで検証ができて、結果もすぐに見えるというのは非常にありがたかったです。

DLPO導入がチーム活性化に貢献してくれました

  • ──PDCAサイクルのスピードが上がったことで思わぬ効果みたいなものはありましたか。

    竹田:ツール導入のきっかけこそ別でしたが、DLPOを導入したおかげで「テストの敷居」みたいなものが大きく下がって、メンバー全員が新しい機能を積極的に試してみようとアクションを起こしやすくなったのが大きな効果でした。「この機能をプラスすれば、CVRが上がるんじゃない」「じゃあ、やってみようか」という会話が気軽に成立するようになりました。

──チームメンバーの働き方にも良い影響が出たのですね。

竹田:はい。そんな風にPDCAサイクルをスピーディーに回せるようになると、次はメンバーの企画力が上がってきました。また、企画の敷居が下がったおかげなのか、他の部門から新しく加わったメンバーがチームに馴染みやすくなりましたね。
もちろん大規模な改修などには今もエンジニアの協力が不可欠ですが、DLPOであれば我々だけでできる範囲というのも見えやすいので、開発業務の切り分けもスムーズです。そのため自分たちで完結することがわかっている施策に関しては、企画を立ち上げるのにためらいが生まれなくなりました。

──思いついたらやってみようという環境になったのですね。

竹田:そうですね。そのおかげで次々に小さな成功体験が積み重なり、どんどんチームが活性化していきました。

1st party dataを活用して、ユーザビリティを向上

  • ──御社はサイトの性格上、自社でユーザデータを保有していらっしゃいますが、1st party dataはどのように活用していらっしゃいますか。

    竹田:会員データとして居住地、希望職種、業種など、さまざまな情報を登録していただき、応募回数や流入経路なども把握しています。2021年12月頃から新たにこうしたデータを連携させて、さらにユーザの利便性を高めていけないかということにトライしています。

──たとえばどのようなことをされていますか。

竹田:たとえばトップページで検索できる検索軸を、経験職種に応じて変更して表示したりしています。希望とはまったく関係のない情報が数多く表示されていても、ノイズとなってしまい、ユーザを混乱させてしまうため、なるべくユーザに合う情報を出すように工夫しています。
またランキング系コンテンツを経験職種に合わせて表示させるといったこともしていますね。

──「type」ならではの工夫も施されているのですね。

竹田:「type」はエンジニア求人が多く、エンジニアの求職者も多いため、他の総合転職サイトとはユーザのニーズも違っていたりします。競合他社のサイトもベンチマークしていますが、なるべく「type」のユーザにとって使いやすい切り口を模索し、定性的・定量的に分析しながら、求められる情報へスピーディーかつスムーズにたどりつけるようにサービスを考えています。

──1st party data活用を始めて、CVRなどに変化はありましたか。

竹田:ユーザに合わせた表示が可能になり、求職者それぞれの職種や経験に合わせた専門サイトの集合体のような感覚に変わってきました。それによって応募数も上がっています。コロナ禍という特殊な社会状況で実際の数字が見えづらい時勢ではあるのですが、効果は実感しています。

──特に変化を感じる部分はありますか。

竹田:「type」の場合、求人詳細ページが非常にアクセスボリュームのあるページです。ユーザにとってはそこがもっとも読み応えがありますから、たとえばメルマガなどから直接訪れた場合には、そこだけを見て離脱してしまうケースがこれまでは多く見られました。しかし、DLPOを用いてユーザ特性にあった表示を実装できるようになってからは、サイト内の回遊性が大きく向上しました。
他にも求人詳細ページの表示項目の順番を変えるなど、DLPOを導入していなければ、大幅なシステム改修を施さないと実装できなかった施策を気軽に試すことができ、大きなメリットを感じています。

これからもDLPOを使いこなして、さらにサービスの充実を

──今後を見据えて、DLPOに対する印象や要望などをお教えください。

竹田:これまでお話ししてきましたが、何より仮説をスピーディーに検証できることがメンバーの成長につながっています。またDLPO自体への機能の改善や追加に対しても、定例会や日常のコミュニケーションの中で要望を出せば、早めに検討して実装していただけるので、コミュニケーション面でもサポートしていただけています。
これからに関していえば、Visualキャンペーンエディターの多変量テスト機能が実装されるようになれば、リテラシーの低いメンバーでも利用ハードルが下がるので良いですね。あとは、クリエイティブ作成に使えるテンプレートがもっと充実するとありがたいです。

──ありがとうございます。そうした機能がますます御社に貢献できればうれしいです。

竹田:「type」や「女の転職type」では、ユーザに対してノイズのない最適化されたコンテンツを提供していきたいと考えています。DLPOを活用すれば、ユーザごとのシナリオを“点”ではなく“線”として設定できる感覚がありますので、これからもユーザビリティの向上に向けて活用させていただきます。

──メンバーの皆様の仕事ぶりもますます楽しみになってきますね。

竹田:はい。このツールを導入したことで企画の楽しさがチーム全体で感じられるようになりました。今はメンバーから自発的に相談が上がってくる機会も非常に多くなり、それが当たり前のような状況になっています。DLPOは入れて終わりというツールではなく、使いこなしてナンボというツールだと思っていますので、これからもチーム全員で使いこなして、さらにサービスを充実させていきたいと考えています。

(記事の内容、肩書きなどは2022年6月現在のものです。)