ABテストをフル活用しウェブサイトを最適化!
〜スマ婚のABテスト事例〜

まずはマーケティング施策のPDCAをしっかり回せる体制を構築。
その次の一手として、LPOツールの導入の必要性を感じました。

DLPOのテスト検証機能をフル活用し、Webサイトを最適化。

メイションが展開する「スマ婚」とは?

  • ──メイション様が展開している「スマ婚」というサービスについて教えてください。

    「スマ婚」とは、「本当にやってよかったと思える結婚式」をプロデュースするブライダルサービスです。
    他のブライダルサービスとの違いは、従来の結婚式のクオリティを維持しながら、当社独自のノウハウで無駄なコストや準備の負担を限りなく削減しており、より手軽かつ安価に、思い通りの結婚式が挙げられるサービスです。

──「スマ婚」はどのような経緯で生まれたのでしょう。

当社の設立は今から15年前の2003年。「2次会くん」という結婚式二次会の幹事業務の代行サービスを提供する会社としてスタートしました。

この事業が軌道に乗ってきた頃、お客さまから「二次会だけではなく、結婚式のサービスも提供してほしい」という声をたくさんいただくようになりました。というのも、結婚式には大きなお金がかかるため、「結婚式が高くて挙げられない」というお客様から、2次会くんの特長であるハイクオリティなサービスをリーズナブルに提供することが結婚式に対しても求められていたのです。

当社自身、結婚式はお金がかかるものだと思っていたのですが、調べてみると日本のブライダル業界はお客さまにとってはうれしくない仕組みになっていることがわかりました。結婚式場によりドレスや花などの業者が指定されており、お客さまが持ち込むとそのための費用(持ち込み料)がかかるのです。
もちろん、婚礼施設の運営会社も施設の維持やリニューアルに費用がかかるので、仕方がないことではあるのですが…。しかしこのまま「結婚式=お金がかかる」が当たり前になると、結婚式を諦める人が多くなります。そういう業界のあり方を壊したいと思い、「スマ婚」を立ち上げました。

現在、当社と提携している会場は240施設。これらの施設では持ち込み料はすべて無料です。好きなドレスを持ち込めます。またドレス業者とも提携しているので自由競争が生まれるなど、よりリーズナブルにさまざまなアイテムが販売できる仕組みを実現しました。

「スマ婚」で実施しているマーケティング施策と課題

  • ──現在はどのようなマーケティング施策を実施されているのでしょう。

    マーケティングのターゲットは結婚式に対して、検討段階に入った人たちです。男女は特に問わないのですが、Webサイトを訪れる人は7対3で圧倒的に女性の方が多いです。特に多いのが25歳~35歳の女性。サイト訪問者の半数を占めています。

    8年前に「スマ婚」を立ち上げて以来、関東、関西、東海、福岡と大都市圏でテレビCMや電車内広告というマス広告を展開してきました。一方、Webサイトはあくまでも情報を伝えるためのツールとしてのみの活用でした。しかし2~3年前よりWebマーケティングにシフトし、現在はWebマーケティングを中心に展開しています。最も活用しているのがリスティング広告。ベーシックな手段ですが、効果が見えやすく、運用しやすく、PDCAも回しやすい。マーケティングの運用はすべて社内で行っているので、運用のしやすさは重要なポイントなんです。

──どんなマーケティング課題を抱えていたのですか。

抱えていた課題は次の通りです。

●ランディングページが最適なものになっているかがわからない
一番課題に感じていたのは、ランディングページが本当に最適なものかどうかを計測する手段に不足を感じていました。
Webサイトの計測・分析のために活用していたのが、ヒートマップツールとGoogleアナリティクスです。ヒートマップツールではどのような部分が見られているかが把握できます。一方、Googleアナリティクスではサイトの訪問数やユーザーの行動、使用しているデバイス、コンバージョン数などが把握できます。でもこれだけの情報ではランディングページが最適なのかはわかりません。

●スピーディに改善できなかった
もう一つの課題が、改善のスピードです。先のようなツールで、あまり見られていない箇所を作り替えるよう制作に指示を出しても、いくつものフローを経るので、変更されるまで1週間ぐらいかかってしまっていたのです。デジタルマーケティングはスピードが勝負です。気がついたときに即、変更できるようなスピーディな体制を作りたいと考えました。

課題を解決するためにLPOツールを導入

  • ──LPOツールは以前よりご存じだったのでしょうか。

    もともと存在は知っていましたが、意識をし始めたのは2017年の秋です。ですが、すぐにLPOツールの検討を開始したわけではありません。まず先の課題を解決するために、Webマーケティングの基盤、具体的にはリスティング広告やディスプレイ広告、Webサイトをしっかり作れ、PDCAを回せる体制を作りました。その次の一手を考えたときに、LPO(ランディングページ最適化)を導入する必要性を感じたのです。

──DLPO導入の決め手についてお聞かせください。

●他社ツールと比べて機能が圧倒的だった
複数のツールを比較検討したところ、DLPOが提供している機能が圧倒的だと感じました。特に評価したのが、テスト検証機能です。DLPOではA/Bテストと多変量テストの2種類が提供されており、この二つを活用することで、お客さまにどういった情報を伝えれば来館に結びつくのかを検証できると考えました。

すでに非常に高い来館予約数を実現

  • ──KPIは来館予約数に置いているということでしょうか。

    KPIは大きな意味ではCVR、つまり「無料カウンセリング優先予約フォーム」の入力完了に置いています。具体的な数値を明かすことはできませんが、同業他社と比べても非常に高いと自負しています。
    なぜ、CVRが高いのか。その理由はこの1年間、ヒートマップツールでランディングページの検証を行い、改善を繰り返してきたからです。良いところは残し、悪いところは排除していくことで、0.0数%ずつですがCVRが向上していきました。しかし、それも限界がありました。そこでDLPOの多変量テストを活用することで、ランディング内の各要素をテストし、最適なランディングページへと一気に変えていきたいと考えています。そしてそのページを前提とした広告施策を打っていきたいですね。

──LPO以外の施策はいかがでしょう。

EFO(エントリーフォームの最適化)、CRMのほか、お客さまの心理的ハードルを低くするような施策を展開しています。当社が展開するブライダルサービスは、お客さまが気軽に利用できるサービスというわけではありません。一度入ると、出られなくなりそうなイメージがある。ハードルを低くするために積極的に活用しているのが、LINEによる相談受付です。LINEだと開封されたかどうかもわかるので、メールよりもスピーディなコミュニケーションができますからね。

今後の展望

──今後、DLPOをどのように活用していく予定ですか。また今後の貴社ビジネスの展望も教えてください。

「スマ婚」については、パーソナライゼーション機能を活用していきたいと考えています。
というのも、日本の結婚式は地域性があるからです。例えば北海道は会費制の結婚式が主流ですが、名古屋はラグジュアリーな結婚式を好みます。大阪は値切り文化が浸透しているので、価格に関する情報が好まれます。地域だけではなく、性別、年齢などのユーザー属性に合わせたページを表示させることも検討しています。

同時に組織の成長にも取り組んでいきたい。今は私が意思決定し、ランディングページの変更指示などを行っていますが、私がいなくてもワークする組織にしたいと考えています。現在、マーケティング部では4人体制で、「スマ婚」「2次会くん」をはじめとする全てのサービスのマーケティングを担当しています。そこで「2次会くん」などの他のサービスにもDLPOをはじめとするツールを積極的に活用していきたい。

──最後に貴社ビジネスの展望も教えてください。

競合も増え、格安で結婚式ができる状況はできました。当社はこの格安結婚式マーケットで、シェア争いをするつもりはありません。なぜなら結婚式離れが進んでいるのは、経済的な理由だけではないと思うからです。例えば準備が簡単な結婚式とか。そういう新しい軸で新しいブライダルサービスを作っていこうと考えています。

──ありがとうございました。